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2024/2/21
【再生可能エネルギー】リオティント、グラッドストンでの事業のエネルギー転換を目指し豪州最大の契約に合意
リオティントは、クイーンズランド州中部のグラッドストンでの事業への供給のため、ウィンドラブ(Windlab)がクイーンズランド州で計画している1.4GWのバンガバン風力発電プロジェクトが発電する電力の大部分を購入することに合意し、オーストラリア最大の再生可能エネルギー電力購入契約(PPA)に調印した。
先月発表されたクイーンズランド州のアッパー・カライオピー・ソーラー・ファームとのPPAに続くこの契約により、リオティントは産業用途としてはオーストラリア最大の再生可能エネルギーの購入者となり、同社のグラッドストンにおける生産拠点(ボイン・アルミニウム製錬所※1、ヤーワン・アルミナ精製所※2、クイーンズランド・アルミナ精製所)を再生可能エネルギーに転換する取り組みが大きく前進することとなる。
ウィンドラブとの新たなPPAに基づき、リオティントはバンガバン風力発電プロジェクトにより発電される全電力の80%を、25年間購入する。現在開発初期段階にあるこの発電プロジェクトは、ワンドーンの町から約40km、グラッドストンの南西290kmの場所に位置し、建設許可と送電系統への連結が正式に承認された後、ウィンドラブが建設・運営する。
プロジェクトで発電された残りの20%の電力は、オーストラリアの電力市場に供給され、一般家庭や企業にクリーンな電力を供給する。
このPPAは、リオティントのグラッドストンでの事業にとって、1.1GWのアッパー・カライオピー・ソーラー・ファームの開発を推進するためにヨーロピアン・エナジーと締結した先の契約に続く、2件目の再生可能エネルギー購入契約。
ウィンドラブとヨーロピアン・エナジーとの合計2.2GWの再生可能エネルギーPPAは、発電所が開発されれば、年間約500万トンの炭素排出量を削減する可能性があり、その発電量はクイーンズランド州の現在の電力需要の10%に相当する。
バンガバンとのPPAは、アッパー・カライオピーとのPPAに続き、オーストラリアで最も重要な産業拠点の1つに再生可能エネルギーを導入するもので、2030年までにスコープ1と2の炭素排出量を50%削減するというリオティントの気候変動目標達成に向け、一歩前進することとなる。今後さらに多くの再生可能エネルギー発電と、電力の安定した供給・送電そして産業政策が結びつくことにより、リオティントがグラッドストンで操業する3つの生産拠点を再生可能エネルギーに転換する取り組みの中心的役割を果たすことが可能となる。
リオティントのCEO、ヤコブ・スタウショーン氏は次のように述べている。
「ウィンドラブとのこの合意は、グラッドストンでの当社の事業における再生可能エネルギー化と、クイーンズランド州中部の重工業に持続可能な未来を提供するための我々の取り組みをさらに加速させるものです。課題はまだ残されていますが、競争力を保ちながら、安定的にグラッドストンの事業が必要とする電力を供給する道筋は見えており、その実現に向けて、クイーンズランド州政府、オーストラリア政府を含むすべての関係者と努力を続けていきます。クイーンズランド州におけるより大規模な再生可能エネルギー開発を可能とし、オーストラリアの産業の未来の確立を手助けするためには、近代的なエネルギーシステムを構築することが必要であり、競争力のある再生可能エネルギー発電とそれを安定的に送電する設備が不可欠となります」
この契約が正式に承認されれば、バンガバン・プロジェクトは2025年後半を目標に建設が開始される予定で、2029年までに発電を開始する。敷地面積は559ヘクタールで、建設には600人を雇用し、稼動後は30人の雇用を創出する。
ウィンドラブのCEO、ジョン・マーティン氏は次のように述べている。
「このPPAの締結は、バンガバン・プロジェクトの大きなマイルストーンであり、同プロジェクトの市場価値を示す強いシグナルです。当社は、リオティントのグラッドストンでの事業の長期的で持続可能な未来を支援するために、リオティントと提携できることを大変誇りに思います。今回の合意は、クイーンズランド州の伝統的主力産業、その中でも州内各地で数千人を雇用し、オーストラリアの低炭素化の未来において重要な役割を担う鉱物資源とその先進的な加工産業を支えるためには、大規模な再生可能エネルギープロジェクトが重要であることを浮き彫りにするものです。また、バンガバンはクイーンズランド州において最大600人の建設雇用を創出し、地元の雇用、調達、契約を通じて地域経済に約5億ドルをもたらす成長の機会となるでしょう。このプロジェクトは責任ある形で開発され、送電網に接続され、2029年までにクイーンズランド州の74万世帯に相当する電力を供給するのに十分なエネルギーを発電することが可能です。同時に同州の発電事業から排出される二酸化炭素を、毎年約400万トン削減することができます」
リオティントは、グラッドストン地域にある3つの生産拠点のエネルギー需要に競争力を保持しながら応えるために、潜在的なパートナーとの関わりを継続し更なる提案を検討する。これらの操業には1GW以上の安定した電力が必要であり、これは4GW以上の高品質な風力または太陽光発電に相当する。生産工程のさらなる電化が進めば、将来的に電力需要は増加すると見られている。
※1 ボイン・アルミニウム製錬所は、リオティント、三菱商事、YKK、UACJ、丸紅、住友商事、住友化学の合弁会社
※2 ヤーワン・アルミナ精製所では、住友商事と共に水素製造およびアルミナ精製工程での水素による天然ガス代替に関する実証事業を行っている
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