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2024/11/24

【半導体】アプライド マテリアルズ、エネルギー効率に優れたコンピューティングのサミットで先進パッケージング新コラボレーションモデル発表

 アプライド マテリアルズ(Applied Materials)は2024年11月18日(シンガポール時間)、自社のグローバルなイノベーションプラットフォームEPIC*を拡充し、先進チップパッケージング技術の商用化加速に特化した新たなコラボレーションモデルとする計画を発表した。取り組みの手始めとして、アプライド マテリアルズは半導体業界のR&Dをリードする20数組織をシンガポールに集め、半導体装置メーカー、材料サプライヤー、デバイスメーカー、研究機関の連携を図る会合を開いた。次世代のエネルギー効率に優れたコンピューティング実現に向けた新技術開発を促進することが目標。アプライド マテリアルズは開催地のシンガポールで10年以上にわたり、顧客やパートナー企業と先進パッケージングのR&Dに関する協業を進めてきた。
 コネクテッドデバイスの急激な増加やAIの台頭を受けて、半導体業界には計り知れない成長機会が生まれているが、同時に業界はいくつかの課題にも直面している。その筆頭が、AIの成長を支えるのに必要とされる膨大な計算能力と、これに伴うエネルギー消費の爆発的な増加。その対策として、いま半導体メーカーやシステムデザイナーの注目を集めているのが、先進パッケージングやヘテロジニアスインテグレーション(異種チップの集積)を通じたシステム全体のエネルギー効率向上。
 アプライド マテリアルズのセミコンダクタ プロダクトグループ プレジデント、プラブー・ラジャ(Prabu Raja)氏は次のように述べている。
 「先進パッケージングはAI時代に持続可能な進歩をもたらす半導体ロードマップのかなめといえます。本日のサミットにはイノベーションを牽引する組織のリーダーが結集し、先進チップパッケージングでワット当たり性能を高めるコラボレーションのあり方を検討しています。アプライド マテリアルズは、自社のグローバルなイノベーションプラットフォームと新たなEPIC Advanced Packaging戦略に裏打ちされたユニークな立場から半導体メーカーをサポートし、新テクノロジーのコンセプト発案から商用化に至るプロセスを加速します」
 今日の最先端AIチップには、マイクロバンプ、シリコン貫通ビア(TSV)、シリコンインターポーザほか、各種の先進パッケージング技術が用いられている。AIから真のポテンシャルを引き出すため、業界では新たなパッケージング構成要素の開発を進めながら、次世代システムの配線密度と帯域幅を大幅に増やすことを目指している。それには複数のテクノロジーを同時に開発する必要があるほか、製品リリースのサイクルも短くなっているため、システムデザイナーにとっては、ソリューションパスとパッケージングアーキテクチャの複雑な絡みを解きほぐす、という新たな課題が生まれている。こうして複雑さが増すことで、半導体メーカーのロードマップにかかるリスク、時間、コストも増大する。
 この複雑なエコシステムでは、バリューチェーン各所との以前からの関係も含め、全体的にコラボレーションを強化する必要があることは明らか。アプライド マテリアルズのEPIC Advanced Packaging戦略は、共創を推進し、基礎的なパッケージング技術の開発、商用化手法を変えることで、こうしたニーズへの対応を目指す。イノベーションセンターのグローバルネットワークを活用し、大手半導体メーカーやシステムデザイナーに次世代テクノロジーや装置への早期アクセスを提供するとともに、サプライヤーや大学パートナーとのコラボレーションを深めて研究所から工場へのパイプラインを強化し、半導体分野で有望な人材の育成を進める考え。
 EPIC Advanced Packagingは、アプライド マテリアルズのグローバルなEPICプラットフォームを拡充するもの。アプライド マテリアルズは2023年5月にEPIC Centerの創設を発表し、現在シリコンバレーでその建設が進められている。同センターでは、個々のチップ上にトランジスタや配線を形成する装置とプロセス技術に重点を置く。EPIC Advanced Packagingでは、アプライド マテリアルズが世界各地に持つイノベーションセンターでのR&Dの成果を活用し、1つのコンピューティングシステム内に複数のチップを結合する先進パッケージング機能の進歩を促す。
<サミット出席者>
■企業
 Absolics、アドバンテスト、味の素ファインテクノ、AMD、Amkor、Besi、Broadcom、Chipletz、EV Group、Intel、キオクシア、Micron、NXP、レゾナック、Samsung、SK hynix、Synopsys、TSMC、ウシオ電機、Western Digital
■研究機関、大学
 シンガポール科学技術研究庁(A*STAR)傘下のマイクロエレクトロニクス研究所(IME)、シンガポール経済開発庁(EDB)、シンガポール国立大学(NUS)、シンガポール工科大学(SIT)
*EPIC = Equipment and Process Innovation and Commercialization

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コンバーティングニュース

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