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2024/10/23

【半導体】セミクロンダンフォス、BASFのPPAを太陽光発電および風力発電システム用インバータのSemitrans 10 IGBTの樹脂ハウジングに採用

 BASFのパフォーマンスマテリアル事業本部は、次世代パワーエレクトロニクス向けに、IGBT(絶縁ゲートバイポーラトランジスタ)半導体のハウジング製造に最適なポリフタルアミド(PPA)を開発した。Ultramid® Advanced N3U41 G6は、電気自動車、高速鉄道、スマート製造、再生可能エネルギーの発電などに向けて、高性能で信頼性のある電子部品の需要拡大に対応している。パワーエレクトロニクスのグローバル技術リーダーであるセミクロンダンフォス(Semikron Danfoss)は、太陽光発電および風力発電システムのインバータに組み込むSemitrans 10 IGBTの樹脂ハウジングにBASFのPPAを採用している。Ultramid® Advanced Nグレードは、優れた化学耐性と寸法安定性により、IGBTの耐久性、長期性能、信頼性を強化し、エネルギー節約、より高い電力密度、効率向上のニーズに応える。IGBTは、パワーエレクトロニクスにおいて、電気回路の効率的なスイッチングと制御を実現する。

セミクロンダンフォスは現在、太陽光発電および風力エネルギーシステムのインバーターに搭載されるSemitrans 10 IGBTのハウジングとして、BASFのPPA Ultramid® Advanced N3U41 G6を使用

 セミクロンダンフォスの研究・開発担当のヤン・グロースマン氏は次のように話している。
 「IGBTは、特に再生可能エネルギー分野では、現代のエレクトロニクスにおける重要な要素であり、高温環境下でも長期的な安定性と性能を維持する必要があります。Semitrans 10は、BASFのPPAの独自の特性を生かし、性能と効率の新しいベンチマークを打ち立てました。この材料を選んだ理由は、過酷な環境でも優れた電気絶縁性を持ち、組立工程での短期的な温度ピークにも優れた耐久性を発揮するためです」
 高性能材料とスマートな設計の組み合わせにより、より高速なスイッチング、低い導電損失、優れた熱管理が可能となり、パワーエレクトロニクスの重要なニーズに応える。
 現在のIGBTでは、BASFの実績あるUltradur®(PBT:ポリブチレンテレフタレート)が広く使用されている。この新しいPPAは、急速に進化するパワーエレクトロニクスの次世代IGBTの厳しい要求を満たすように設計されている。これらのIGBTは、高温に耐え、長期にわたる電気絶縁性を提供し、湿度、ほこり、汚れなどの厳しい環境条件下でも寸法安定性を維持できる材料を必要としている。レーザー溶着性を持つUltramid® Advanced N3U41 G6は、非ハロゲン系難燃剤を使用し、高い耐熱性と低吸水性、優れた電気特性を兼ね備えている。この材料は、CTI(比較トラッキング指数)が600(IEC 60112規格に準拠)という特徴があり、これによりIGBTの小型化を実現し、電力スイッチ用のこれまでの材料よりも低いクリープ距離と優れた絶縁性を提供する。UL認定グレードは、優れた電気RTI(相対温度指数)値150℃を示す。
 BASFのパワーエレクトロニクス担当シニアアプリケーションエキスパートのヨーヘン・ゾイブルト氏は次のように述べている。
 「BASFのPPAコンパウンドは、グローバルで提供可能であり、サンプルの準備も整っています。私たちの顧客志向の技術サポートと部品開発のバックアップにより、この革新的な材料がパワーエレクトロニクスの進歩に大きく貢献し、再生可能エネルギーへの世界的な移行をサポートすることを期待しています」
 IGBTの製造において、BASFのPPAは、射出成形後に金属ピンやクランプで半導体を組み立てるために使用されるポッティング材料と互換性がある。
■Ultramid® Advancedについて
 BASFのPPA製品群は、Ultramid® Advanced N (PA9T)、Ultramid® Advanced T1000 (PA6T/6I)、Ultramid® Advanced T2000 (PA6T/66)、Ultramid® T KR (PA6T/6)、Ultramid® One J (PA66/6T)、およびUltramid® D3 (PA/PPA)の6つによって構成されている。自動車産業や電機電子産業、機械工学、消費財など多様な分野において、軽量で高性能な次世代プラスチック部品の可能性を広げる。PPAの製品群は世界各国で販売されており、BASFのシミュレーションツール、Ultrasim®(ウルトラシム)とアプリケーション開発における豊富な経験に基づき、射出成形や押出成形用に50以上の配合グレードがある。難燃剤の有無や、様々な熱安定剤、無着色からレーザーマーキング可能な黒色までの色味や、短繊維ガラス、長繊維ガラスまたは炭素繊維強化材などから選択可能。

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