アーカイブ情報
2024/12/23
【半導体】メルク、静岡事業所にパターニング材料開発の先端材料開発センター新設
世界有数のサイエンスとテクノロジーの企業であるMerck(以下メルク)は2024年12月20日、静岡事業所(静岡県掛川市)に、新たに先端材料開発センター(Advanced Materials Development Center: AMDC)を建設するため、7000万ユーロ超(約100億円)を投資することを発表した。この投資により、半導体製造の重要な工程であるパターニングプロセス向けの材料開発力を強化し、半導体技術の発展と世界のエレクトロニクス産業の成長支援に向けた取り組みを加速する。
イノベーション強化と世界的成長の支援
2026年に運営を開始するAMDCは、メルクのパターニング材料の研究開発機能を強化するもので、厳しい環境基準を満たす最新の半導体ノードや革新的な材料のための最先端のソリューション開発が可能になる。面積5500平方メートルの施設に最先端のクリーンルームと高度な研究設備を完備し、また進展著しい半導体業界のニーズに柔軟かつ迅速に対応すべく、将来の拡張性を考慮して設計されている。
メルクのシニアバイスプレジデント兼パターニングソリューション部門責任者のケビン・ゴーマン(Kevin Gorman)氏は次のように述べている。
「静岡事業所へのAMDC建設を通した研究開発ケイパビリティ強化は、イノベーションに対するメルクの戦略的な取り組みと、日本の半導体産業がグローバル市場において重要な貢献を果たしていることを示すものです。AIの進展など半導体に求められる技術がますます高度化する中で、今回の投資により、長年にわたりパターニング材料開発に貢献してきたメルクとして、世界中のお客様へ向けて、次世代ソリューションの提供力を強化し、日本と世界市場の両方において半導体産業の成長を支援できます」
業界パートナーとの連携を促進
日本はメルクのパターニング事業において重要な市場。顧客ニーズへの対応だけでなく、大手装置メーカーとの強力なパートナーシップを築くなど、業界パートナーとの連携は半導体産業の課題解決に大きく貢献しており、メルクは、今後も技術開発の推進に向けて関係強化を図っていく。
次世代半導体技術の実現に向けて
AMDCの新設は、半導体技術の進化と持続可能なイノベーションを促進するメルクの取り組みの一環。EUV(極端紫外線)材料やDSA(誘導自己組織化)などの最先端のソリューションに注力し、AI半導体や先端ノードを含む次世代アプリケーションの需要に応えながら環境負荷の低減も目指す。
メルクのフォーミュレーション部門コアプロダクト開発長兼静岡開発部責任者の片山朋英氏は次のように述べている。
「メルクのパターニング材料技術は、次世代の半導体アプリケーションに不可欠です。今回新たに建設するAMDCで、お客様が求める持続可能な半導体製造プロセスの確立と高パフォーマンスな半導体デバイスの実現のための材料開発をさらに探求していきます」
メルクは、2021年より日本国内の半導体材料拠点の強化を継続的に実施、総額1億2000万ユーロを超える規模の投資を行っている。これにより、技術革新を推進し業界の成長を支援するという取り組みをさらに強化していく。
- カテゴリー
- コンバーティングニュース