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2024/11/23

【半導体】世界半導体製造産業は2024年第3四半期に力強い成長を記録

 SEMI(本部:米国カリフォルニア州ミルピタス)は2024年11月19日(米国時間)、TechInsightsと共同して発行する最新のSemiconductor Manufacturing Monitor(SMM)レポートにおいて、2024年第3四半期の世界半導体製造産業が力強い勢いを見せ、2年ぶりに主要な業界指標のすべてが前期比でプラス成長となったことを発表した。この成長は季節的要因とAIデータセンターへの投資による旺盛な需要に後押しされたものだが、家電、車載、産業用セグメントの回復ペースは緩やかである。この成長トレンドは2024年第4四半期まで継続する見込み。

IC売上高の推移

 2024年上半期に減少した電子機器の売り上げは、2024年第3四半期に前期比8%増となる回復をし、2024年第4四半期には前期比20%増が見込まれている。ICの売り上げも2024年第3四半期に前期比12%増となり、2024年第4四半期にはさらに10%増が見込まれている。ICの売上全体は2024年に20%以上増加すると予測されており、これをけん引するのは、主にメモリ製品の全般的な価格改善とデータセンター用需要の高まりである。
 電子機器の販売と同様に、2024年上半期には半導体設備投資も減少したが、2024年第3四半期からはプラス成長に転じている。2024年第3四半期のメモリ関連設備投資は、メモリ市場が前年同期と比較して改善したことを反映し、前期比で34%増、前年同期比で67%増となった。2024年第4四半期の設備投資総額は、2024年第3四半期比で27%、前年同期比で31%の急増が見込まれており、これをけん引するのは前年同期比で39%増となるメモリ関連の設備投資。
 半導体製造装置セグメントは依然として好調であり、中国からの多額の投資や、HBMおよび先進パッケージングに向けた投資増加により、以前の予想を上回る売り上げを達成している。2024年第3四半期のウェーハファブ装置(WFE)の購入額は、前年同期比で15%、前期比で11%の増加となりました。中国の投資は引き続きWFE市場で大きな割合を占めています。さらに、テストと組み立ておよびパッケージングの両セグメントは、2024年第3四半期にそれぞれ前年同期比で40%と31%という目覚ましい増加を記録しており、年内はこの成長が継続する見込み。

半導体設備投資(CAPEX)およびファブ生産能力の推移

 2024年第3四半期のウェーハファブの四半期生産能力は4,140万枚(300mmウェーハ換算)に達し、2024年第4四半期には1.6%の増加が予測されている。ファウンドリおよびロジック関連の生産能力は力強い拡大が継続し、2024年第3四半期に2.0%増加した後、2024年第4四半期は先端ノードと成熟ノードが共に生産能力を拡大し、全体では2.2%増が予測される。メモリ生産能力は2024年第3四半期に0.6%増加したが、2024年第4四半期も同じペースを維持する見込み。この成長は、HBMの旺盛な需要にけん引されたものだが、プロセスノードの微細化によって生産能力が相殺される部分もある。
 SEMIの市場情報担当シニア・ディレクターであるClark Tseng(クラーク・ツェン)氏は次のように述べている。
 「半導体製造装置セグメントは成長の強い勢いを持続していますが、今年これを支えているのは、中国の旺盛な設備投資と先端技術への投資拡大です。特にファウンドリおよびロジックセグメントにおける生産能力の継続的拡大は、先端半導体技術に対する需要の高まりに応えるという業界のコミットメントを明確に示しています」
 また、TechInsightsの市場分析担当ディレクターであるBoris Metodiev(ボリス・メトディーフ)氏は次のように述べている。
 「2024年は半導体業界の2つの側面が示されました。家電、車載、産業市場が苦戦する一方、AIは成長し、メモリおよびロジック製品の平均価格を押し上げています。2025年にかけて金利が下がるにつれ、消費者心理は改善し、大量購入が促され、家電市場と車載市場の両方を支えることが期待されます」
 Semiconductor Manufacturing Monitor(SMM)レポートは、半導体製造産業を、製造装置やファブ生産能力から、半導体、電子機器の売上高にいたるまでカバーしている。レポートには、半導体製造サプライチェーンの2年間の四半期実績データと1四半期の予測が提供され、これには主要IDM、ファブレス、ファウンドリ、OSAT、装置企業の情報が含まれている。

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