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2024/12/5
【半導体】日本電気硝子、CO2レーザー加工対応ガラスコア基板の開発に着手。「SEMICON JAPAN 2024」に300mm角基板出展
日本電気硝子は、汎用性が高いCO2レーザーで穴あけ加工ができる新型ガラスコア基板の開発に着手した。
開発の背景
近年、AI半導体の高性能化に伴い、チップレット構造※の採用が進み、搭載するダイの大型化とダイ数の増加が進んでいる。これに伴い、半導体のチップとマザーボードを接続するためのコア基板の大型化需要が高まっている。
現在主流の樹脂製基板では、大型化に伴う寸法安定性、熱膨張係数、剛性、放熱性能といった課題があり、次世代の高性能・高密度アプリケーションへの対応が困難とされ、これらの課題を解決する素材としてガラスが注目されている。しかし、ガラス製のコア基板における微細貫通穴(ビア)の形成には、レーザーによる改質と酸やアルカリによるエッチングを組み合わせた複雑な工程が必要となり、技術的な難易度、加工時間および設備投資の面で課題があった。
現在開発を進めているガラスコア基板は、汎用性の高いCO2レーザーで微細貫通穴(ビア)の加工が可能で、上記の課題を克服する革新的な技術となる。ガラスの組成とレーザー加工条件の最適化により、一部の穴形状においてはクラックレスの穴あけに成功しており、様々な穴形状への展開も目指して開発を継続している。開発が完了次第、このガラスコア基板をガラスコア事業のラインナップに加え、顧客の幅広いニーズに対応していく予定。
※チップレット構造:従来の単一の大きな半導体チップではなく、複数の小さなチップ(チップレット)に機能を分割して製造し、それらを高性能な配線技術で接続することで、製造コストの削減と性能向上を実現する半導体の設計・製造手法
開発の目標
<生産性の向上>
1.板ガラス成形技術(オーバーフロー法)による量産技術を確立する
2.CO2レーザーによる高速加工においてもクラックを発生させない
3.CO2レーザーによる高速加工により加工時間を大幅に短縮する
4.既存の製造設備を活用し設備投資を抑制する
<優れた信頼性>
1.温度・湿度の影響を受けにくく(寸法安定性)、発熱などによる反りを抑制する
2.平坦性・平滑性・剛性に優れ、微細配線や高密度実装を可能にする
今後の展望
日本電気硝子は、2024年6月に発表したGCコア(TM)(ガラスとセラミックスの複合材基板)と、現在開発中のガラスコア基板により、CO2レーザー加工対応の無機コア基板のラインナップを拡充し様々なニーズに対応していく。AIやデータセンター向け半導体市場の拡大に伴い、無機コア基板の需要は今後増加すると予測されている。同社は、次世代半導体を支えるキーマテリアルのリーディングカンパニーとして、継続的な技術革新と製品開発に取り組んでいく。
開発状況と今後の予定
1.ガラスの組成検討とレーザー加工条件の検討
2.2025年内に515×510mmサイズへの大型化を目指し開発を推進
3.製品化に向けた信頼性評価を実施中
4.2024年12月11日~13日に開催予定の「SEMICON JAPAN 2024」に300mm角基板を出展予定
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