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2025/3/4
【半導体】東レ、台湾に先端半導体関連技術・材料の研究・技術開発拠点開設
東レは、台湾に研究・技術開発拠点「Toray Taiwan Technical Center(略称:TTTC)」を開設した。半導体のグローバルサプライチェーンにおいて、益々重要度が高まりつつある台湾市場で先端半導体向け関連技術・材料の研究・開発、技術サービス活動を強化する。
東レグループは、半導体・電子部品、ディスプレイ分野において、製品に直接使われる素材、製造工程で用いられる間接素材、水や空気をきれいにするインフラ向け製品、製造・検査装置、分析サービスと様々な角度からソリューションを提供し、グローバルに事業を展開している。中でも半導体市場は年率10%で拡大している成長性の高い重点分野であり、東レグループの総合力を生かした取り組みを推進している。
台湾は、世界最大の半導体製造拠点であり、先端半導体技術において高い地位を確立している。台湾政府は2024~2033年の10年間に半導体産業への3000億台湾元(約1兆4000億円)の投資を発表し、主要大学に半導体など重点領域の「研究学院」を設置する1)など、さらに半導体産業の発展が期待される。既に、異種チップの複合化や3D積層といった半導体の高集積・高性能技術、光電融合技術などの次世代半導体開発が進んでいる。
こうした背景から、東レは台湾現地有力企業との取り組みを開始しており、次世代パッケージ向けモールド用離型フィルムなどのフィルム材料、光電融合関連技術としてマルチコア光ファイバ、インフラ向け製品として下廃水再利用ニーズに対応した高尿素除去RO膜などの新製品開発、提案を進めている。今回、TTTC設立により研究機関や大学を含めた連携強化を図り、台湾の東レグループ関係会社とも連携して先端半導体関連技術・材料の先行開発を推進するとともに、現地顧客ニーズに即した技術、製品のスピーディーな提案、技術サービスを展開していく。
東レは、中期経営課題“プロジェクトAP-G 2025”で、デジタル技術の浸透により、利便性や生産性の向上に貢献する材料、装置、技術、サービスなどのDI(デジタルイノベーション)事業を成長領域として位置づけ、グループ内横串連携・参入障壁確立による事業拡大を進めている。今回のTTTC設立により、半導体分野での変革・課題を捉えた新製品開発と事業拡大のさらなる加速を目指す。
今後も、日本国内9研究所、海外24カ所の研究・技術開発拠点にて、各国・地域のニーズに対応した研究活動をグローバルに推進し、成長分野における新しい価値の創造を通じて社会に貢献していく。
<東レ台湾テクニカルセンターの概要>
1.名 称:Toray Taiwan Technical Center(略称:TTTC)
2.開所時期:2025年3月
3.所 在 地 :台北市松山区
新竹県竹北市
4.研究内容:半導体関連技術・材料分野の研究・技術開発、および技術サービス
<引用文献>
1) 国立研究開発法人科学技術振興機構研究開発戦略センター
海外調査報告書 科学技術・イノベーション動向報告 台湾編:22, 49
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