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2025/2/20

【半導体】東レエンジニアリング先端半導体MIテクノロジー、大型ガラス基板検査装置の本格販売開始

 東レエンジニアリング先端半導体MIテクノロジーは、この度、光学式外観検査装置INSPECTRA®シリーズから、高効率に先端半導体を製造する技術として注目されているガラス基板用の検査装置を新たに開発し、2025年3月から販売を開始する。
 同装置は、パターン不良、異物の検出だけでなく、ガラス基板特有のひび割れ(クラック)等の不具合を検出する装置であり、パネルレベルパッケージ(PLP)等でも使用されているガラスコア・インターポーザや、再配線用ガラスキャリアに対応している。
 ガラス基板表面のみの欠陥を検出する装置はこれまでに各半導体メーカーに導入されているが、表裏面および内部の検査を行う装置は、業界初。
 同社は、大型ガラス基板検査装置をPLPなど先端半導体を製造するメーカーに販売し、2025年度に10億円、2030年度に20億円の受注高を目指す。
 現在、次世代半導体の製造技術である「2.5次元パッケージ」において、半導体の高機能化に伴って、半導体チップのサイズアップと高集積化によるパッケージ当たりのチップ数量の増加により、チップと基板を電気的に接続する中継部材であるインターポーザもスケールアップしている。
 これまでは12インチシリコンウェーハを使用したシリコンインターポーザが使われてきたが、円形であることから1ウェーハ当たりの取り数が少なくなることで需要に対する供給量が課題になっている。そこでシリコンインターポーザの代わりに、大きな基板サイズで製造でき、かつ高密度実装への適応が可能なガラス基板が注目されている。
 しかし、ガラス素材であることから微細なひび割れ(クラック)が生じるケースがあり、こうした欠陥が含まれるガラス基板を使用して製造した半導体は、動作の安定性に課題があるため、工程の中で取り除く必要がある。従来光学的な技術を使用して表面検査が行われてきたが、検査装置の構造上、表面の欠陥の検出にとどまり、裏面や内部にある欠陥の検出ができる装置はこれまでにはなかった。
 今回、従来のINSPECTRA®シリーズの基本仕様をベースに、ガラス基板の不具合検出・解析アルゴリズムおよび偏光を利用した光学的な検査機構を新規に開発して搭載することで、業界初の両面検査・内部欠陥検査を可能とした。
 また、INSPECTRA®シリーズの高い検査速度を保持していることも特徴であり、このことで全数検査が可能となるため、不良品の流出の防止に貢献することができる。
 大型ガラス基板検査装置は、650mm×650mmサイズ(業界規格)のガラス基板に対応し、40sec/Panelの高速検査(高いスループット)が可能。

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コンバーティングプロダクツ&テクノロジー