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2024/9/27

【半導体】積水フーラー、クリーンルーム向け低アウトガスシーリング材「抗菌GOOD!クリーンルーム用」発売

 積水化学工業とH.B. Fullerの合弁会社である積水フーラーは、電子材料の汚染につながるアウトガス成分を抑制したシーリング材「抗菌GOOD!クリーンルーム用®」を9月30日に発売する。
 積水フーラーは、変成シリコーン樹脂を用いたシーリング材・接着剤のパイオニアとして、住宅・建材業界において30年以上の実績を有す。健康に配慮した製品設計、耐久性の向上、耐火性能の付与など、多くの住宅・建材メーカーとの取り組みのなかで先進的な技術構築を進めてきた。
 昨今、経済安全保障上のリスク回避などの理由より、日本国内で半導体関連産業の投資が相次いで発表されている。
 半導体やフラットパネルディスプレイ(FPD)などの先端産業においては、製造環境中に存在する揮発性物質が製品へ付着し、性能へ悪影響を及ぼすことが問題となるため、特にクリーンルーム内では使用する部材から放出される揮発性物質は厳格な管理対象となる。
 シーリング材においてはBHTや環状シロキサンなど悪影響となる揮発性物質が含まれるため汎用品の使用が難しく、クリーンルームでの使用に特化したシーリング材が選定されている。
 しかしながら、半導体向けシーリング材についてはその特殊性から、供給可能なメーカーは限られ、旺盛な需要に対して慢性的な供給不足を起こしている状況にある。また、工場建設の現場では職人不足が深刻化しており、工期の短縮ができる施工簡易化の新工法や、職人の負担を軽減する施工しやすい材料が求められている。
 これらの課題解決に向け、積水フーラーはこれまで住宅トップメーカー各社との協業体制により培ってきた「一液湿気硬化型シーリング材」の知見を結集し、関連材料メーカー・ゼネコン・施工業者などの意見を取り入れながら開発・検証を繰り返し、この度、クリーンルーム用シーリング材(製品名:抗菌GOOD!クリーンルーム用®)の技術確立と量産化のめどが立ったことから、発売を開始する。
 「抗菌GOOD!クリーンルーム用®」の特徴は次の通り。
 通常の変成シリコーン系シーリング材の施工性、伸び、接着性を保ちながら、電子材料を汚染するアウトガス成分を抑制したシーリング材。
(1)低アウトガス(検出限界以下)
 電子材料を汚染するアウトガス成分としての11成分を日本空気清浄協会(JACA)が定めたクリーンルーム構成材料から発生する分子状汚染物質の測定方法指針であるJACA No.34-1999(ダイナミックヘッドスペースエンジニアリングテスト法)を参考とした試験を実施し、いずれの成分も検出限界以下という結果を得ることができた。

(2)抗菌性
 抗菌GOOD!シリーズの特徴である、高い抗菌性能。

(3)シーリング機能
 クリーン性能を有しながら、接着性と柔軟性を兼ね備えた「抗菌GOOD!クリーンルーム用®」は、クリーンルームの様々な部位で使用することができる。
 日本接着剤工業会のJAIA F☆☆☆☆認定(※)も取得しており、内装材の接着・シーリング用途でも安心して使用できる。

(4)施工性
 一液湿気硬化タイプのシーリング材であり、二液混合の手間がかからない。また、330mLの筒型カートリッジと320mLのフィルムパックを採用し、各現場が求める包装容器に対応。押出性、垂れ性、硬化速度は施工業者様へのヒアリングを実施し、施工性の向上を目指した。
<製品概要>
製品名:抗菌GOOD!クリーンルーム用® ホワイト、グレー
荷姿:330mL カートリッジ10 本入り段ボール×2 箱(PPバンド掛け)
荷姿:320mL フィルムパック10本入り段ボール×2箱(PPバンド掛け)

 積水フーラーでは、引き続き社会課題の解決に向け、変成シリコーン技術を用いた商品開発による事業展開を進める。2025年度「抗菌GOOD!クリーンルーム用®」は、関連用途の市場シェア30%を目指す。
※JAIA F☆☆☆☆(エフ フォースター)
 日本接着剤工業会の自主管理規定に基づく表示で、ホルムアルデヒド放散が極めて少ない最上位の等級区分。適合製品は内装仕上げの規制対象外となり、使用面積に制限なく使用できる。

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コンバーティングプロダクツ&テクノロジー

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