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2024/11/12
【半導体】BASFとフラウンホーファーIPMS、革新的ソリューションの研究開発協力で10周年。マイクロチップ相互接続用の改良材料に関する共同研究
BASFとフラウンホーファーIPMS(本社:ドイツ・ドレスデン)は、提携から10周年を迎えた。これまで両社は、「BASF Plating-Lab (BASFメッキラボ)」の一環として、半導体製造とチップ統合の分野における革新的でカスタマイズされたソリューションの開発に取り組んできた。フラウンホーファーIPMSのナノ電子技術センター(CNT)におけるパイロットテストでは、半導体集積における材料と技術の効率性と費用対効果を高めるための戦略が策定され、実施されている。
BASFの電子材料ビジネスユニットのシニア・バイスプレジデントであるDr. ローター・ラウピヒラーは次のように述べている。
「この提携を通して、私たちは市場で拡大する課題に対処し、相互接続とパッケージングの分野における新技術を実現しています」
業界標準に沿ったプロセス評価
マイクロチップの製造と統合には、数多くの電気化学的プロセスが必要。個々の回路を接続し、チップ内で導体経路のネットワークを形成するためには、さまざまな層の金属または金属合金をウェハーに塗布する必要がある。全体的な統合のあらゆる段階や、その後のさまざまな用途に対応するためには、化学品や作業工程をお客様の個々の工程に適合させる必要がある。BASFとの協力関係の一環として近年、電解メッキ蒸着プロセス用の新しい化学品の評価が行われている。
同時に、それに対応する製品テストと実証試験も、ウェハーレベルでお客様のために実施されている。BASFは、フラウンホーファーIPMSのクリーンルームに最先端のプロセスツールを設置し、フラウンホーファーの経験豊富な科学者たちがこれを使用している。このように、両社は業界のプロセスで使われているものと同じツールを使用しており、ユーザーは適格性確認にかかるコストを大幅に削減することができる。結果、開発時間とコストを節約し、より効率的なプロセスを確立することができる。そのため、革新的なソリューションを開発し、生産条件下で直接評価することが可能になる。
業界パートナーへの直接適用の可能性
この10年間で、両社は12,000回以上のプロセス実行を完了した。フラウンホーファーIPMSの次世代コンピューティングビジネスユニット責任者、Dr.ベンジャミン・リリエンタール=ウーリッヒ氏は、「開発されたケミカルパッケージや製品は、私たちのお客様の工業プロセスで直接使用することができます」と述べている。例えば、デュアルダマシン技術による小型回路の配線構造の製造にも使われている。これらの製品は、インターポーザ、チップレット、再配線構造(ピラー、RDL、TSV)用3Dパッケージの製造においても重要であり、ウェハー対ウェハーのハイブリッド接合で金属層を形成することもある。
2014年6月、BASFとフラウンホーファーIPMSは、CNTに開設されたスクリーニングファブの一環として協力関係を確立した。フラウンホーファーIPMSは、この目的のために直径300mmのクリーンルームインフラをBASFに提供している。ユーザーとパートナーは、研究所のあるシリコンサクソニーのネットワークからも恩恵を受けることができる。これにより、フラウンホーファーIZM-ASSIDのドレスデン支所など、他の地元施設の関与や、フラウンホーファーIPMSのグローバルな産業パートナー(ボッシュ、インフィニオン、グローバルファウンドリーズ)専用の直接プロセス開発が可能になる。新たに設立された研究センターCEASAX(Center for Advanced CMOS and Heterointegration Saxony)では、特にマイクロシステムのヘテロインテグレーションに関して、用途に沿ったソリューションにさらに緊密に取り組むことが可能になる。
■フラウンホーファーIPMSについて
フラウンホーファーIPMS(フォトニック・マイクロシステム研究所)は、インテリジェントな産業ソリューション、医療技術、モビリティの分野における応用研究開発のリーダー。フラウンホーファーIPMSは、電子部品、機械部品、光学部品、およびそれらの小型化機器やシステムへの統合に取り組んでいる。また、設計や製品開発から、自社ラボやクリーンルームでのパイロット生産まで、幅広いサービスを提供している。ナノ電子技術センター(CNT)では、マイクロチップ製造業者、部品サプライヤー、機器製造業者、R&Dパートナーのために、300mmのシリコンウェハーの応用研究を行っている。
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