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2025/10/9

【Market】SEMI、300mmファブ装置の今後3年間の世界投資額が3740億ドルに到達すると予測

 SEMI(本部:米国カリフォルニア州ミルピタス)は2025年10月8日(米国時間)、最新の300mm Fab Outlookレポートにおいて、300mmファブ装置の世界投資額が、2026年~2028年の3年間で総額3740億ドルに達するとの予測を発表した。この旺盛な投資は、ファブの地域分散化と、データセンターおよびエッジデバイス向けのAIチップ需要の急増を反映しており、主要地域における半導体の自給率向上に向けた取り組みと、地域内の半導体エコシステムおよびサプライチェーンの再構築を裏付けるもの。
 300mmファブ装置の世界投資額は、2025年に前年比7%増の1070億ドルに達し、初めて1000億ドルを超える見込み。投資額は2026年に9%増の1160億ドル、2027年に4%増の1200億ドル、2028年に15%増の1380億ドルへと増加することが予測されている。
 SEMIのプレジデント兼CEOのAjit Manocha(アジット・マノチャ)氏は次のように述べている。
 「半導体業界は、AIによって実現された技術への前例のない需要と、半導体自給率向上への新たな注力にけん引されて、大きな変革を迎えようとしています。戦略的なグローバル投資と協業が、強固で先進的なサプライチェーンの構築と、次世代半導体製造技術の迅速な展開を促進しています。300mmファブの世界的な拡大により、データセンター、エッジデバイス、そしてデジタル経済の進展が可能になるのです」

<セグメント別成長>
 ロジック&マイクロセグメントでは、2026年~2028年にかけて1750億ドルが投資され、装置投資を先導するであろう。ファウンドリ各社は、2nm以下の最先端生産能力投資を原動力として、この成長をけん引することが予測される。GAA(Gate All Around)構造や裏面電力供給技術などの先進技術は、AIワークロードの増大に対応するチップ性能や電力効率の向上に不可欠なキーテクノロジーとなっている。さらに進んだ1.4nmプロセス技術は、2028年~2029年に量産開始が見込まれている。AIの性能向上は、車載エレクトロニクス、IoT、ロボティクスなどのエッジデバイスの大幅な成長につながることが予想される。先端プロセスだけではなく、あらゆるノードおよびデバイス品種に対する需要が急増し、成熟プロセス装置への投資も活発化することが見込こまれる。
 メモリセグメントは、この3年間の投資が第2位の1360億ドルと予測され、成長サイクルの新たな局面に入るであろう。DRAM関連装置への投資は790億ドル、3D NANDへの投資は560億ドルに達する見込み。AIの学習と推論は、多様なメモリタイプに対する包括的需要を生み出している。AI学習には高いデータ伝送帯域と極めて低いレイテンシが必要であり、HBM(高帯域幅メモリ)の需要を大幅に押し上げている。また、推論によって生成されるAIコンテンツは、ストレージ容量の需要を生み出し、3D NANDフラッシュの需要を加速させている。この堅調な需要は、中長期的にメモリセグメントのサプライチェーン投資を支え、従来からのメモリサイクルによる景気後退リスクを緩和するであろう。
 アナログ関連セグメントは、2026年からの3年間で410億ドル以上の投資が予測される。
 化合物半導体を含めたパワー関連セグメントは、2026年~2028年にかけて270億ドルの投資が見込まれている。
<地域別成長>
・中国:国家の半導体国産化政策に支えられ、2026年~2028年にかけて940億ドルを投資し、300mm装置投資額で首位を維持することが予測される。
・韓国:2026年~2028年の3年間で860億ドルを投資して生成AI需要に対応する世界中の産業が支え、300mm装置投資額で第2位になる見込み。
・台湾:2nmおよびそれ以下の生産能力に集中した750億ドルの投資を3年間で行い、第3位となる見込み。先端ファウンドリ生産能力の支配と技術リーダーシップの維持が目的。
・米州:AIアプリケーション需要の急増に対応するため、先端プロセス能力を拡張し、国内産業と投資の高度化を促進することで、2026年~2028年にかけて600億ドルを投資し、第4位に浮上する見込み。
・その他:日本、欧州・中東、東南アジアは、それぞれ320億ドル、140億ドル、120億ドルの投資が見込まれている。これらの地域では、半導体供給の懸念を緩和する政策的インセンティブにより、2028年までに2024年比で装置投資が60%以上増加すると予測されている。

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