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2025/7/17

【デジタル露光装置】ニコン、「DSP-100」の受注開始

 ニコンは、半導体デバイス製造の後工程にあたるアドバンストパッケージング向けに、1.0μm(※1)(L/S(※2))の高解像度かつ600mm角の大型基板に対応した、デジタル露光装置「DSP-100」の受注を2025年7月より開始する。

※1  1μm(マイクロメートル)は、100万分の1メートル(1000分の1mm)を表す
※2  Line and Spaceの略。配線の幅と隣り合う配線同士の間隔のことを指す

■開発背景
 IoTなどで用いられる高速通信技術や、生成AIなどの普及による情報量の増大に伴い、データセンター向けを中心に高性能半導体デバイスの需要がますます高まっている。加えて、複数の半導体チップを並べて接続するチップレットをはじめとするアドバンストパッケージングでは、配線パターンの微細化とともにパッケージの大型化が進み、樹脂やガラス基板などを用いたパッケージング(Panel Level Packaging)の需要拡大が見込まれている。

チップレットのイメージ(左:上⾯図、右:断⾯図)

■製品概要

■主な特⻑
【⾼解像度と⾼⽣産性の両⽴】

 DSP-100」は、半導体露光装置の「⾼解像技術」とFPD露光装置のマルチレンズテクノロジーによる「⾼⽣産性」を両⽴している。1.0μm(L/S)の解像度かつ≦±0.3μmの⾼い重ね合わせ精度に加え、1時間当たり50パネル(510×515mm基板の場合)の⾼⽣産性を実現する。

※4 複数の投影レンズを並べて精密に制御することで1本の巨⼤レンズを⽤いたかのように露光するニコンのFPD露光装置の独⾃技術。1回の露光でより広い範囲へのパターニングが可能となる

【フォトマスクが不要で、⼤型のアドバンストパッケージングに対 応】
 ⼀般的な露光装置では回路パターンが描かれたフォトマスクを⽤いますが、「DSP-100」はフォトマスクを使わずに、回路パターンを表⽰したSLM(空間光変調器)に光源からの光を照射し、投影レンズを⽤いて基板に転写する。これにより、フォトマスクサイズの制約を受けることなく⼤型のアドバンストパッケージングに対応します。さらに、フォトマスクを作成する必要が無いため、ユーザーの開発‧製造におけるコストやリードタイムの抑制にも寄与する。

【⼤型⾓型基板に対応し、対ウェハ⽐基板当たり9倍の⽣産性を実現】
 DSP-100」は、600×600mmの⼤型⾓型基板に対応します。⾓型基板では100mm⾓⼤型パッケージに対して300mmウェハと⽐較して9倍の⽣産性を実現。さらに、アドバンストパッケージングで重要となる基板の反りや変形に対しても⾼精度に補正する。

カテゴリー
コンバーティングプロダクツ&テクノロジー

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