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2025/4/10
【大阪・関西万博】ポーラ化成工業、化粧品容器プラスチックの再利用に向けた実証試験を実施
ポーラ・オルビスグループの研究・開発・生産を担うポーラ化成工業は、大阪・関西万博の会場内に、化粧品容器由来の再生プラスチックを用いたベンチを設置し、品質に関する実証試験を実施する(図1, 2)。
化粧品容器が多様なプロダクトに生まれ変わる未来を想定し、来場者の方々に触れて使用してもらうことで、化粧品由来の再生プラスチックを日用品に転用する際の知見を収集する計画だ。


基本情報
- 設置場所: 万博会場『島の蜃気楼』(トイレ施設)周辺……補足資料1
- 設置台数: 2台
- デザイン: 2種(1.SKIN 2.EMULSION)……補足資料2
- 素材: PET(スキンケア化粧品容器由来)、ポリカーボネート(バージン)、木(間伐材由来)
- 製作連携:
・オルビス株式会社(化粧品容器の提供)……補足資料3
・”甲州市・オルビスの森” 運営パートナー団体 公益財団法人オイスカ(間伐材の提供)……補足資料3
・VOID株式会社(ベンチデザイン・3Dプリント製造……補足資料4
会期中、来場者は自由にベンチを利用することが可能。
多くの人が利用する「ベンチ」で、サステナビリティの新たな可能性を検討
ポーラ・オルビスグループは1985 年からいち早くリフィル容器や詰め替え用化粧品の販売などに取り組み、その後も化粧品容器の軽量化、非石油由来の代替素材の導入など、循環型社会の実現に向けた研究開発の取り組みを進めている。2023年には、再生プラスチックの加工技術の探求と、生み出せるアート表現の可能性を検証する狙いから、多くの芸術家とコラボレーションし、「Plastic Revives展」を開催した(※1)。
2025年は新たな取り組みとして、化粧品由来の再生プラスチックが使われているベンチを大阪・関西万博の会場に設置し、実証試験を行いる。試験では、化粧品容器由来の再生プラスチックを日常使いのプロダクトにリサイクルする際の幅広い知見の収集を目指す。具体的には、屋外環境に長期間設置し、多くの方に繰り返し使用される大阪・関西万博の会場特性を活かしながら、品質の変化(実利用、紫外線、熱、降雨の影響等)を調査する予定だ。
※1 「ポーラ化成工業、化粧品容器由来の再生プラスチックをアート作品へ提供 チャリティオークション「Plastic Revives」展にて展示」 https://www.pola-rm.co.jp/pdf/release_20231124.pdf
感性に訴えかけるデザインの追求
今回製作したベンチデザインは2種類あります。3Dプリンティング成形技術を得意とするVOID(補足資料4)と連携することで、再生プラスチックの配合度合いにより色味がどう変化するかなどの検証を行いながら、視覚的・触覚的な表現も追求しました。デザインの着想は、ポーラ・オルビスグループ独自の化粧品クリームや、研究対象としている”肌”。心地よい感触の秘密である乳化物の形態や、皮膚表面の肌理(キメ)構造をベンチの表面デザインに模し、「触ってみたい」と感じるベンチを目指し作り上げた(補足資料2)。ベンチに座るだけでなく、手触りを楽しみ、肌についてふと考えるきっかけになればと考えている。
今回の取り組みを通じ、再生プラスチックを活用して人々の感性に訴えかけるマテリアルリサイクルを実現するための知見を集め、今後の研究・事業開発に活用していく。
【補足資料1】 大阪・関西万博の会場施設 『島の蜃気楼』 とベンチ設置場所について
大阪・関西万博では、SDGs(持続可能な開発目標)達成につながる個性豊かで魅力的な博覧会施設の創出を目指し、今後の活躍が期待される若手建築家が休憩所やトイレなど計20施設の設計を担当しています。その一つである、再利用可能な樹脂で製作され、半透明な曲線が特徴的な『島の蜃気楼』(トイレ施設)(図2、3)の周辺に、再生プラスチックを配合したベンチが設置されている。

【補足資料2】 ベンチデザインについて
ポーラ化成工業が積み上げてきた化粧品科学を着想の起点として、意匠性にもこだわった2種類のベンチデザインを製作した。
■ デザイン1.SKIN
肌理(キメ)とは皮膚の表面に見られる細かい三角形の構造のこと。肌理は、日々少しずつ、そのふっくら度合いや細かさが変化しており、身体や心の状態を反映すると言われています。「肌理」という言葉は他の言語に訳すことが難しく、日本独自の美意識を表す重要な概念となっている。

■ デザイン2.EMULTION
化粧品では、乳化(EMULSION)という技術を用いて、「しっとりしているのにべたつかないクリーム」のような、水だけ・油だけでは実現できない豊かな感触を実現している。ポーラ化成工業が開発したオリジナル乳化物の様子をベンチに模し、身近に使うものの手触りの裏にある技術の奥深さを表現した。

▼デザインのさらなる詳細はこちら
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