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2024/5/8
【天然ゴム】住友ゴム工業、タイのコンケン大学と共同研究を開始
住友ゴム工業は、タイの国立大学であるコンケン大学とゴムノキの組織培養技術についての共同研究に関する協定をこのたび締結し、調印式を実施した。この研究はゴムノキの植物生理学的反応に関するデータを分析し、収量向上に繋がるメカニズムを解明する事を目的としています。これにより持続可能な天然ゴム調達に向けた取り組みを加速させていく。
同社は2021年8月に刷新を図った「持続可能な天然ゴム方針」※1に沿ってサプライチェーン上の皆様と連携した取り組みを積極的に推進し、天然ゴムの持続可能な調達を目指している。
現在、ゴムノキの苗木増殖で一般的に用いられているのは「接ぎ木」であるが、成長性や耐病性等の点において台木の影響を大きく受ける。
一方で、同社が技術確立を進めているゴムノキの一部の組織を分離して試験管内で培養する「組織培養技術」では根と茎が同一の植物体となり、成長に有利になると考えられる。実際に、「組織培養」由来の苗は一般的な「接ぎ木」由来の苗と比較して、植え付け初期(1~2年)の成長が早いことが確認されている。
今回のコンケン大学との共同研究では、組織培養由来のゴムノキの苗と接ぎ木由来の苗の生育や葉の形の調査に加え、蒸散量※2測定等により植物生理学的反応に関するデータを取得して違いを評価し、収量向上に繋がるメカニズムを解明する事を目的としている。
将来的には、本共同研究の枠組みで同社がコンケン大学からのインターンシップを受け入れることも視野に入れており、ゴムノキの生産性向上だけでなく、生産国(タイ)の人材育成にもつなげていく。
同社では天然ゴムの持続可能性を高める取り組みを生産性向上と臭気改善の二つの方向性で進めている。生産性向上では、ゴムノキの成長促進と樹液採取の生産性向上につながる様々な研究を実施中で、 臭気改善では「臭気低減天然ゴム」の開発に成功している。
今回の研究を進める事により天然ゴムの生産性向上を図り、持続可能な天然ゴム調達に向けた取り組みをさらに加速させていく。
コンケン大学について
名称:Khon Kaen University
所在地:Khon Kaen University 123 Moo 16 Mittraphap Rd., Nai-Muang, Muang District, Khon Kaen 40002,Thailand.
設立:1966年
学部数:19学部
同社は2023年3月に、タイヤ事業における独自のサーキュラーエコノミー構想「TOWANOWA(トワノワ)」※3を発表した。「TOWANOWA」はバリューチェーン上の5つのプロセスからなる「サステナブルリング」と各プロセスから収集したビッグデータを連携させる「データリング」で構成されており、二つのリング間でデータを共有・活用することで新たな価値提供を目指す。
「TOWANOWA」の「材料開発・調達」プロセスにおいて、今回の共同研究で得られたデータを活用することで、より生産性の高い天然ゴムの調達の実現を目指し、天然ゴムの持続可能性の向上に取り組む。 「TOWANOWA」を通じ、住友ゴムはESG経営の推進を更に加速させ、2050年のカーボンニュートラルの実現と持続可能な社会の発展に貢献していく。
※1 住友ゴムグループ「持続可能な天然ゴム方針」を刷新https://www.srigroup.co.jp/newsrelease/2021/sri/2021_067.html
※2 植物の地上部から大気中へ水蒸気が放出される現象
※3 タイヤ事業におけるサーキュラーエコノミー構想「TOWANOWA(トワノワ)を策定(2023年3月8日リリース)https://www.srigroup.co.jp/newsrelease/2023/sri/2023_018.html
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