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2026/3/23
【天然木繊維由来強化材】DAIKEN、プラスチック成形用「ウッドファイバーダイス」の量産体制を確立
DAIKENは、MDFの製造拠点の1つであるDAIKEN New Zealand(DNZ社)で、プラスチック成形用強化繊維「ウッドファイバーダイス(Wood Fiber Dice)」の量産体制を確立し、伊藤忠プラスチックスを通じたサンプルの出荷、および事業化検証を開始した。
「ウッドファイバーダイス」の生産技術は、ニュージーランドのバイオエコノミー科学研究所であるサイオングループが2010年代に開発し、オーストラリアのコニフォーム社が技術ライセンスを保有している。今回の取り組みは、DAIKENがコニフォーム社よりライセンスの利用承諾を受けて「ウッドファイバーダイス」の生産を行い、伊藤忠プラスチックス社、コニフォーム社との協業により、日本、および海外市場での商業販売を目指すもの。
「ずっと ここちいいね」をコーポレートメッセージに掲げるDAIKENは、木質繊維の新たな用途展開を通じて木材のさらなる有効活用を促進し、持続可能な社会環境づくりに貢献していく考えだ。
【取り組み背景と今後について】
今年4月からスタートする次期長期ビジョン「TryAngle2035」において、事業を通じた価値創造の1つに“持続可能な循環型社会の実現”を掲げるDAIKENは、木質資源や未利用資源を有効活用した「エコ素材」の開発・製造・販売を中核事業に据えている。また、注力市場である海外市場においても、素材事業を軸としており、その中でもMDF(中密度繊維板)の販売が素材事業の中核を担っている。
MDFは、床材の基材やドアの面材、家具の芯材などに幅広く使用されており、製造拠点の1つであるDNZ社では、ニュージーランドで計画的に植林された針葉樹の製材端材を活用したMDFを製造し、主に家具や建材用途として販売している。素材事業を強みとする同社では、このサステナブルな素材である木材をより幅広い分野へと活用し、これまで以上に世の中に貢献する事業へとステップアップするため、新たな用途を模索する取り組みを数年にわたり進めていた。
そのような中、サイオングループ、およびコニフォーム社より打診を受けたのが、プラスチック成形用の天然木繊維由来強化材「ウッドファイバーダイス」の製造委託。MDF製造で培ってきた木質繊維板の製造技術やノウハウを活かせる案件であり、同社がかねてより検討を進めていた木質繊維の新規用途展開にもつながることから、2023年より製造技術の確立に向けた取り組みを開始した。そして、既存のMDF製造設備を利用し、製造に関する様々な調整を行いつつ、木質繊維をダイス化するための新設備の検証を重ねた結果、DNZ社にて安定して供給できる量産技術を確立した。今回の件は、同社の新たな販売チャネルへの事業参入にあたるとともに、繊維板用途だけに留まらず、木材のより幅広い活用にもつながる取り組みである。
なお現在は、伊藤忠プラスチックス社を通じたサンプル出荷を行っている。主に、車両の内外装部材や家具、家電、食器等の幅広いプラスチック製品の強化繊維材としての供給を想定しており、幅広い産業に向けた普及を進めることで、事業を通じた脱炭素社会の実現に貢献していく。

【ウッドファイバーダイスの概要・特長】
プラスチックは、その用途に応じて、一定の機能性や強度を付与するため、原料樹脂にガラス繊維や粉砕したタルク(鉱物)などを、強化材、充填材として配合することがある。「ウッドファイバーダイス」は、これらに代わる新たな強化材として、2010年代初頭に、ニュージーランドのサイオングループによって開発された、木質の強化繊維材。
今回、「ウッドファイバーダイス」の量産体制を確立したDNZ社では、管理された植林木を原材料とするMDFを製造しており、「ウッドファイバーダイス」においても同様の原材料を使用することから、同強化材は木材を活用したサステナブル素材としての普及が期待できる。また、木質繊維は、鉱物系に比べて比重が小さく軽量であることから、輸送時の環境負荷軽減や作業負荷の軽減につながるほか、プラスチック製品に仕上がった際の強度や耐熱性にも優れた特性を発揮する。
●概要(現在検証中の為、実製品は下記仕様から変更となる可能性がある)
| 名称 | ウッドファイバーダイス |
| サイズ | 5mm角程度の立方体形状(サイコロ状) |
| かさ密度 | 250~320kg/m3 |
| 原料 | 主としてニュージーランド産ラジアータパイン |
| 用途 | プラスチックの強化、充填材料として |
【販売目標】
60億円/年(2035年度)
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