アーカイブ情報
2025/7/10
【太陽電池】パシフィックコンサルタンツ、愛知・菱池遊水地でペロブスカイト等を使用した太陽光実証実験を開始
パシフィックコンサルタンツは、愛知県が推進している矢作川・豊川カーボンニュートラルプロジェクトにおいて、愛知県額田郡幸田町に整備中の菱池遊水地の堤防法面における太陽光発電設備設置の実証実験を開始した。同実証実験は、環境省の水インフラの空間ポテンシャル活用型再エネ技術実証事業として採択されている。
■実証事業について
愛知県では、「矢作川・豊川カーボンニュートラルプロジェクト」として、矢作川・豊川流域をモデルケースに、水循環をキーワードに、官民連携で総合的かつ分野横断的に再生可能エネルギー等の創出などカーボンニュートラルを目指す先導的な取り組みを行っている。同実証事業は、愛知県が支援している水インフラの空間をフィールドとした技術開発の実証実験として、整備中の菱池遊水地の周囲堤の一部の法面を活用して太陽光発電を行うもの。河川管理施設等構造令上の構造および維持管理等へ支障を生じさせずに太陽光発電設備の設置および発電を行う技術を開発する。
■技術開発および実証実験の概要と目的
堤防法面にペロブスカイト等の太陽電池モジュールを埋め込んだ法面ブロック(太陽光発電ブロック)等を設置し、構造および維持管理等へ支障を生じさせずに太陽光発電を実施する。同技術は、堤防機能を維持しつつ、太陽光発電を行うものであり、遊水地堤防で適用性が認められれば、ダム、ため池等の法面への適用も考えられ、水インフラ空間での再エネ普及に大きなインパクトを与えることが期待されている。
| 実証内容 | 全体システム設計、法面ブロック開発、 堤防の維持管理性の確認等 |
| 実証箇所 | 愛知県額田郡幸田町(菱池遊水地) |
| 実施期間 | 2025年7月1日~2026年3月20日 |
| 期待される効果 | 太陽光発電の設置箇所の拡大、堤防の強化、除草費用の抑制等 |
| 検証内容 | 堤防および太陽光発電システムの維持管理方法 雨水排水、天候による影響、防草効果、感電リスクの確認 上記を踏まえ、ブロック改良や標準仕様化を検討 |

■今後の展望
同実証事業により、水インフラ施設での太陽光発電への再エネ導入手法を確立し、日本全国の堤防やダムの法面・貯水池水面など、さまざまな水インフラ施設へ適用範囲を広げることで、脱炭素社会の実現に貢献していく。
パシフィックコンサルタンツグループは事業を通じて温室効果ガスの排出量削減に貢献するという強い意志を込めて、脱炭素経営「Pacific Net Zero」を宣言している。
https://www.pacific.co.jp/group/sustainability/pacific-net-zero/
- カテゴリー
- コンバーティングニュース

