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2026/2/16
【差動クロック用水晶発振器】京セラ、位相ジッタ30fsの低ノイズを実現した「Xシリーズ」の量産開始
京セラは、電子部品の「差動クロック用水晶発振器」において、業界最高レベル※1の 位相ジッタ30fs(フェムト秒)の低ノイズを実現した「Xシリーズ」を製品化し、2026年1月より量産を開始した。
※1 差動クロック用水晶発振器312.5MHzの周波数、3.3Vにおいて(2025年12月 京セラ調べ)
差動クロック用水晶発振器は、AIサーバーなどの高速かつ大容量のデータ通信向けに用いられる水晶発振器で、クロック用水晶発振器と比べてノイズ耐性が高い特長がある。同社は、今年1月から月産20万個で開始した量産体制をさらに強化し、今年6月からは月産200万個へと増産することで、生成AIの本格普及などにより、今後ますます活況が続くAIサーバー市場のニーズに応えていく。

■開発の背景
スマホ向けなどの民生機器で一般的に使われるクロック水晶発振器は、主に1波出力だが、差動クロック用発振器は2波出力となっている。受信側ではこの2つの信号の差分を信号として読み取るためノイズに強く、安定した信号伝送ができることから、高速・長距離伝送に適している。
近年、5Gネットワークの拡大やAIデータセンターの高速化に伴い、ネットワーク機器やサーバーでは、より高速で信頼性の高いデータ通信が求められている。高速通信では、ノイズや信号のズレがビットエラーにつながるため、信号のタイミングのズレ(位相ジッタ)が極めて小さい「低位相ジッタ特性」を有する高精度な差動クロック用水晶発振器の需要が高まっている。
「Xシリーズ」は、業界最高レベル※1の位相ジッタ30fsの低ノイズを実現した差動クロック用水晶発振器である。
■特長
1.業界最高レベル30fsの低位相ジッタを実現
位相ジッタ30fsの実現には、安定した水晶の品質と高性能ICの両立が不可欠であった。同社Xシリーズでは、独自の半導体フォトリソプロセスとプラズマCVM工法による小型素子設計技術とICを組み合わせることで、業界最高レベルとなる位相ジッタ 30fsを実現した。従来の同周波数製品と比較して、位相ジッタを約25%低減し、高速通信におけるビットエラー低減に貢献する。
2.従来品比約42%削減の低消費電流
新型の差動出力発振ICの採用により消費電力を削減し、AIサーバーなどの省電力化に大きく貢する。同シリーズの156.25MHz(LV-PECL出力)においては、従来品50mA Typ.に対し、42%削減の29mA Typ.を実現した。
■主な用途
AIサーバー、光トランシーバ、ストレージ関連、車載ADAS機器
■差動クロック用水晶発振器 Xシリーズ製品概要
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サイズ 単位:mm(MAX) |
2.0mm × 1.6 mm × 0.5mm (MAX.) |
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生産拠点 |
山形東根工場 |
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動作温度範囲 |
-40~+85℃ / -40~+105℃ |
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出力周波数範囲 |
100 / 125 / 156.25 / 312.5MHz |
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出力タイプ |
LV-PECL / LVDS |
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周波数許容偏差* |
±15×10-6/ -40~+85ºC, ±20×10-6/ -40~+105ºC |
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電源電圧 |
1.8 / 2.5 / 3.3 V (1.8VはLVDS出力のみ) |
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消費電流 (Typ:Typical)
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29mA (Typ. LV-PECL出力) / 156.25MHz 14mA (Typ. LVDS出力) / 156.25MHz 45mA (Typ. LV-PECL出力) / 312.5MHz 23mA (Typ. LVDS出力) / 312.5MHz |
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位相ジッタ |
40fs (Typ.) / 156.25MHz 30fs (Typ.) / 312.5MHz |
*初期偏差@25℃、動作温度特性、電源電圧変動、負荷容量変動、経年変化1st yr@25℃、振動・衝撃を含む
【用語集】
・位相ジッタ:クロック用水晶発振器における信号のタイミングのズレ。
・30fs:水晶発振器の信号のタイミングを表す単位femto(10のマイナス15乗)second(1秒の1000兆分の1 )。
・ビットエラー:データの伝送や保存の途中でのデータの誤り。
参照
X シリーズ詳細:京セラ HP URL : https://ele.kyocera.com/ja/technical/xtal_npikcx/
プラズマ CVM 工法: URL: https://youtu.be/6H9GRr4kvQQ
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