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2024/1/4

【年頭挨拶】住友化学の岩田圭一社長

 住友化学の岩田圭一社長の年頭挨拶要旨は次の通り。
 昨年を振り返ると、国内では、新型コロナの5類引き下げ以降、社会に明るさや活力が戻ってきたが、中国経済の回復の遅れに加え、国際情勢の不透明感が増すなど、世界経済は必ずしも順調な成長軌道に回帰したとは言えない状況であったと思う。こうした情勢の下で、当社グループは、製品市況の歴史的な低迷やパテントクリフなど事業環境の大幅な悪化に直面し、2023年度上期決算は極めて厳しい結果となった。また、通期の利益水準も創業以来の大幅な赤字となることが見込まれる。
 2024年は、業績のV字回復と強靭な事業体質への変革・再成長に向けて、「短期集中業績改善策」の確実な実行、ならびに、聖域のない「抜本的構造改革」の検討・着手を、同時並行でスピード感を持って進めていく必要がある。当社の将来を左右する極めて重要な一年になる。決して平たんな道ではないが、「何としてでもやり遂げる」という強い覚悟と決意を持ち、全社一丸となって取り組んでいきたい。
 この1年、皆さんには次の2点を意識して業務にあたってほしい。
1.デジタルツールを活用した「現場力」のアップデート
 「現場力」こそが、私たちの競争力の根源だ。構造改革を進める中でも、安全安定操業、品質の確保、コンプライアンスの徹底を最優先に取り組もう。同時にお願いしたいのは、皆さん一人一人が知識や技能のアップデートに取り組むことだ。生成AIなどの新しいデジタルツールを有効に活用し、組織の力へと結集してほしい。
2.「起業家精神」を持ち、行動に移すこと
 日々の業務において、新しいことへの挑戦、不作為のロスの回避などを意識して、実際の行動に結び付けるようにしてほしい。経営学のP・ドラッカー教授は、起業家(企業家)とは、変化をチャンスと捉え行動する人のことだ、と定義している。構造改革の本年は、まさにその精神と行動が求められる。
 当社は長い歴史の中で、厳しい事業環境をいくつも乗り越えている。先人たちは、苦境に立ち向かうだけでなく、次の展開への布石を打つことをためらわず、その後の成長につなげてきた。
 私たちも、時代の要請にあわせた変革を成し遂げよう。2024年を反転攻勢の年とする決意を新たにしたい。

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