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2025/12/13
【廃棄物リサイクルの工程管理デジタル化】サトーの「Trace eye Circular Economy」、ナカダイホールディングスが導入
サトーは、廃棄物リサイクルおよびコンサルティング事業を展開するナカダイホールディングスが「Trace eye(R) Circular Economy(トレースアイ(R) サーキュラーエコノミー)」を導入したことを明らかにした。従来のアナログ管理で生じていた工程把握の困難さやマニフェスト管理の負荷、容器所在の不明確さといった課題が解消に向かい、資源循環の高度化を見据えたデジタル化による業務運用の見直しを進めている。

導入背景と課題
ナカダイホールディングスは、2001年の「循環型社会形成推進基本法」の施行を機にリサイクル事業へ本格参入し、現在、同社は約99%という国内でも高水準のリサイクル率を実現している。
廃棄物処理とリサイクルには、産業廃棄物の排出事業者が発行するマニフェスト(産業廃棄物管理票)に基づき、法令に沿った処理期限の管理を厳格に行う必要がある。マニフェスト管理は法令違反のリスクに直結する重要な業務であるため、デジタルによる管理精度の向上が求められていた。
また、同社が扱う廃棄物は品目によって解体方法や作業工程が異なり、手作業も多いことから、処理の開始と終了は把握できても、各工程の作業状況をリアルタイムで把握することが難しいという課題があった。加えて、廃棄物を入れる容器の所在や在庫状況の把握にも時間がかかり、探す作業が頻繁に発生し業務の負担となっていた。
多様な廃棄物ごとに異なる処理フローが存在する同社にとって、各工程データや在庫を整理し、システムに蓄積して活用できる環境を整備することが、生産性向上に向けた重要な課題となっていた。
Trace eye(R) Circular Economy導入効果
入荷した廃棄物に IDとひも付いた2次元コードを付与し、各工程でコードをスキャンするだけで実績情報を自動的に蓄積できるようになった。従来は手書きシールなどを使ったアナログな工程管理であったが、今後、デジタル管理を実施することで、作業進捗をパソコン上でリアルタイムに確認できるようになる。また、廃棄物から再生資源の生産に至る工程全体の可視化とトレーサビリティが確保できるため、管理精度の向上が期待できる。
工場内で所在の把握に時間を要していた容器は、システム上で位置情報を確認できるようになるため、探索作業の削減につながる。
厳格な管理が求められるマニフェストについても、デジタル化により期限確認がしやすくなり、リスク軽減と業務負担の改善が図られる見込み。

ナカダイの後藤 進常務取締役は次のようにコメントしている。
「社会全体で資源循環を加速させるためには、再生資源の元となる材料や中間処理の内容を証明し、その品質や物性を明確に示すことが不可欠です。廃棄物の入荷から資源再生に至るまでのトレーサビリティを確保することは、今後ますます重要になります。こうした情報を効率的に取得するための仕組みづくりや、再生資源の生産管理をどのように構築するかは、リサイクル業界全体の課題でもあります。わたしたちの業界は DX 化が難しく遅れがちであるため、運用フローの整備と情報取得の仕組みが広がっていくことが必要だと考えています。
ナカダイでは、将来、Trace eye(R) Circular Economyと廃棄物の自動計量などの仕組みを連携させるなど、さらなる自動化も視野に入れています。効率化によって得られた人的リソースを、廃棄物の選別といった自社のコア業務に集中させることが目標です。Trace eyeを活用し、資源循環社会に貢献できる体制を構築していきたいと考えています」
■Trace eye(R) Circular Economyの概要
Trace eye(R) Circular Economyは、資源循環を支えるトレーサビリティソリューション。産業廃棄物の回収・運搬、入荷・選別、解体・選別、処理、出荷まで一連のプロセスを可視化しデジタル管理を可能にする。

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