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2025/9/18

【循環型低炭素アルミ】LIXIL、CO₂排出量50%削減の「PremiAL」をLIXIL製品のアルミに価格据え置きで標準展開

 LIXILは、アルミ新地金のみで製造した場合と比較してCO₂排出量を約50%削減する循環型低炭素アルミ「PremiAL」を、同社製品のアルミ※1に価格据え置きで標準展開する。対象製品は、LIXILが製造するアルミ形材を使用している全製品で、2025年10月より順次展開する。

 脱炭素社会の実現には、全世界のCO₂排出量の37%を占める建設部門での排出量削減が不可欠である。それに伴い、建築業界はもちろんのこと輸送関連などさまざまな業界で多く使われているアルミの低炭素化に注目が集まっている。日本アルミニウム協会は2025年6月にグリーンアルミの定義を定め、低炭素製品への取り組みを一層強化していいる。アルミ製品の環境負荷を減らすためにポイントとなるのが、新地金を使用しないリサイクルアルミの活用推進。アルミは他の金属と比べると融点が低いため、少ないエネルギーで溶解して再資源化できる素材である。アルミ製品の原材料を、新地金からリサイクル材に置き換えることで、CO₂排出量を97%削減※2することができる。

 LIXILは世界でも有数のアルミリサイクル技術を活かし、2022年12月よりリサイクルアルミ使用比率70%の「PremiAL R70」を、2023年10月より100%の「PremiAL R100」を、非住宅中心とした一部製品のみを対象に展開している。

 このたび「PremiAL」シリーズによるインパクトをさらに拡大するため、アルミ新地金のみで製造した場合と比較してCO₂排出量約50%削減の循環型低炭素アルミ「PremiAL」を、一部製品のみならず住宅・エクステリアなどのLIXILが製造するアルミ形材を使用している全製品に展開を拡大する。

 FYE2025には、同社のリサイクルアルミ平均使用比率※3が80%に達した一方、「PremiAL」シリーズ以外のアルミ形材においては、使用比率にばらつきが見られた。
 この課題に対し、生産技術の革新と管理方法の改善により、各ロットのリサイクルアルミ使用比率の均一化と下限値の引き上げ(60%以上※3)を実現。これにより、製品やロットに関わらずLIXILのアルミ形材を使用する全ての製品における「PremiAL」展開が可能となった。

 さらに、「PremiAL」は国内外5つの全アルミ製造拠点※4で製造できるため、量産が可能となり、環境価値の高い製品をこれまでと同じ価格で提供する。

 また、LIXILが製造したすべてのアルミ形材を対象に、第三者検証「SuMPO EPD」を取得※5し、9月17日に公開しました。LIXILアルミ形材の製造・組立加工までのアルミ1kgあたりのCO₂排出量は7.1kg-CO₂eqとなっており、新地金のみで製造したアルミ形材と比較するとCO₂排出量を約50%削減することができる。

 LIXILでは、環境ビジョン2050「Zero Carbon and Circular Living(CO₂ゼロと循環型の暮らし)」の実現に向けた重点領域の1つである「資源の循環利用の促進」において、2031年3月期までにリサイクルアルミの使用比率を100%にすることを目標に掲げている。「PremiAL」の事業展開拡大により、目標達成に向けた取り組みはさらに加速する。

 LIXIL 執行役専務 LIXIL Housing Technology担当の吉田 聡氏は次のようにコメントしている。
 「LIXILでは、革新的な製品やサービスを通じて、環境や社会へのインパクト(良い影響)の創出に注力し、社会課題の解決とともに事業のさらなる成長を目指しています。LIXILは国内における建築物のホールライフカーボン削減に貢献する取り組みを推進しており、30年近くに渡り築き上げたアルミリサイクル技術を活用した『PremiAL』シリーズはエンボディドカーボン削減に大きく貢献できるソリューションの1つです。このソリューションを業界に先駆けて、ビル向け建材のみならず、住宅向け製品も含めて展開することで、建築業界の脱炭素化のさらなる発展に貢献してまいります」

 LIXILは、現在、そして未来の環境や社会、人々の暮らしを見据えた私たちの取り組みが事業成長の持続性に繋がると信じ、急速に変化する世界において日々の暮らしと社会にインパクト(良い影響)を生み出す製品やサービスの開発に取り組んでいく。

※1 LIXIL製造のアルミ形材のみ
※2 資源からアルミを金属として取り出す工程。「PremiAL」製造時のCO₂排出量とは異なる
※3 自社製造ビレット(6063材)が対象。購入ビレット・異種合金は除く
※4 2025年9月現在、タイ・ベトナム・小矢部・下妻・有明の工場において

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