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2025/2/20

【循環型IJプリントヘッド】京セラ、「KJ4A-EX1200-RC」を5月から発売

 京セラは、ラベル印刷など幅広い用途に対応するインクジェット(IJ)プリントヘッドにおいて、同社独自の流路設計技術により高精細な印刷と高い生産性の両立を実現したUVインク対応の循環型ヘッド「KJ4A-EX1200-RC」を開発した。この製品は、2025年5月から販売を開始する。

循環型インクジェットプリントヘッド「KJ4A-EX1200-RC」

開発の背景
 デジタル印刷は、画像データに基づいて必要な数量を即座に印刷できる手軽さや、版洗浄時の廃液が発生しないため環境負荷が低減されるという利点がある。このため、IJ方式を含むデジタル印刷の需要が広がり、紙の印刷物だけではなく、衣服、ラベル、食品包装、住宅建材などさまざまな印刷用途で利用されている。
 これら用途拡大とともにインクの多様化が進み、高速、高画質かつ高耐久性に加え、多様なインクに対応可能なIJプリントヘッドが求められている。特にラベル印刷市場では、多種多様な言語に対応する微細な文字の印刷、さらに滑らかな階調表現など細部まで繊細な印刷が重要視されてきた。加えて、高精細と高濃度の両立を実現するための液滴量最適化、および印刷装置の高速化への対応が求められている。
 京セラのIJプリントヘッドは、高い耐久性により、安定した長期間の連続印刷を実現し、印刷現場の生産性向上を支える。これにより、オペレーターの負荷を軽減し、省人化を促進することで、デジタル印刷の進化を牽引していく。
特長
1.ノズル近傍循環機構により、安定した印刷を実現
 同社独自のノズル近傍循環機構により、均一な温度管理とインク成分の沈降を抑制し、安定した印刷が可能となる。また、ヘッドクリーニングなど再稼働時のメンテナンスの削減にも貢献する。加えて、本製品は水冷※1仕様が標準仕様となっており、水冷機構によりIJプリントヘッドの均温化が図られ、連続印刷と印刷品質の安定性を確保している。
※1:冷却水による冷却方法で、プリントヘッドに搭載されている駆動基板を冷却する機能

ノズル近傍循環機構

水冷仕様

2.1200dpiの高精細な印刷と高い駆動周波数による生産性の向上
 解像度を1200dpiに向上し、また従来の600dpi IJプリントヘッドと比較して、駆動周波数と印刷速度が向上した。これにより、ラベル市場で求められている、より高精細な印刷と高い生産性の両立を実現した。

3.京セラ独自の一体型ピエゾアクチュエータにより高画質印刷を実現
 同社独自の緻密多結晶セラミックアクチュエータに関する材料設計技術と、薄型圧電セラミック基板の製造プロセス技術を生かし開発した大型の一体型ピエゾアクチュエータ※2を、UVインク対応の1200dpi IJプリントヘッドとして初めて採用した(幅 116mm×奥行 34mm×厚み 0.04mm)。
 大型の一体型ピエゾアクチュエータにすることで、ヘッド内の画質を均一にし、より高画質な印刷を実現する。
※2:ファインセラミックスの圧電効果を利用してインク吐出の原動力を生み出す部品一体型ピエゾアクチュエータ

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コンバーティングプロダクツ&テクノロジー