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2024/2/29

【Printing】京セラ、循環型IJプリントヘッド「KJ4B-EX1200-RC」発売。drupaに出展

 京セラは、商業印刷やパッケージ印刷など幅広い印刷用途に対応するインクジェット(IJ)プリントヘッドにおいて、業界最高クラス※1の吐出性能を実現し、多様なインクに対応可能な循環型ヘッド「KJ4B-EX1200-RC」を開発し、2024年4月より販売を開始する。
※1 2024年2月15日、京セラ調べ

インクジェットプリントヘッド「KJ4B-EX1200-RC」

 デジタル印刷は、画像データに基づいて必要な数量を即座に印刷できる手軽さや、版洗浄時の廃液が発生しないため環境負荷が低減されるという利点がある。このため、IJ方式を含むデジタル印刷の需要が広がり、紙の印刷物だけではなく、衣服、食品包装、住宅建材などさまざまな印刷用途で利用されている。
 昨今では、生産性向上やさまざまな用途へ展開するためにインクの多様化が進み、高速、高画質かつ高耐久性に加え、多様なインクに対応可能なヘッドが求められている。特に商業印刷やパッケージ印刷市場では、従来の上質紙のみならずコート紙やフィルムなどに対応できるよう液滴量の最適化が求められてきた。加えて、印刷装置の高速化に伴い、印刷後のインク乾燥時間の短縮が課題となっており、速乾性インクへの対応も求められている。
 高い耐久性により、安定した長期間の連続印刷を実現し、印刷現場の生産性向上を支える。これにより、オペレーターの負荷を軽減し、省人化を促進することで、デジタル印刷の進化を牽引していく。
 「KJ4B-EX1200-RC」の特長は次の通り。
1.ノズル近傍循環機構により、速乾性インクなど多様なインクに対応し、幅広い用途で使用可能
 京セラ独自のノズル近傍循環機構により、ノズル乾燥を回避。均一な温度管理とインク成分の沈降を抑制し、安定した印刷を可能にしたことで、速乾性インクなど多様なインクでの印刷に対応。また、ヘッドクリーニングなど再稼働時のメンテナンスの削減にも貢献する。加えて、本製品は水冷※2仕様が標準となっており、水冷機構による連続印刷と印刷特性の安定性を確保している。
※2 冷却水による冷却方法で、プリントヘッドに搭載されている駆動基板を冷却する機能

2.高い駆動周波数と最大液滴量増加による生産性の向上
 インク流路設計の最適化とヘッド構造の見直しにより、ノズルから吐出されるインクの最大液滴量を、80kHz駆動時、従来品比約43%増の4.0pLまで向上させるとともに、吐出安定性を高めた。ヘッド当たりの生産性を向上させ、商業印刷やパッケージ印刷市場で求められていた液滴量最適化による幅広いメディア対応も可能となった。

3.独自の一体型ピエゾアクチュエータにより、高画質印刷を実現
 独自の緻密多結晶セラミックアクチュエータに関する材料設計技術と、薄型圧電セラミック基板の製造プロセス技術を生かし開発した大型の一体型ピエゾアクチュエータ※3を、本製品向けに最適化し採用(幅 116mm×奥行 34mm×厚み 0.04mm)。大型の一体型ピエゾアクチュエータにすることで、ヘッド内の画質を均一にし、より高画質な印刷を実現。
※3 ファインセラミックスの圧電効果を利用してインク吐出の原動力を生み出す部品
4.電装系インターフェースの共通化により汎用性を向上
 従来の同社製ヘッド「KJ4B-1200」と同様のインターフェースを採用したことで、装置側駆動システムの開発コストを軽減し、ヘッド選択の汎用性が向上。

 京セラは、本製品の供給により印刷のデジタル化の可能性をさらに広げるとともに、地球環境の持続可能性の向上に貢献していく。

■「drupa 2024」に出展
 京セラは、2024年5月28日~6月7日に、ドイツ・デュッセルドルフ見本市会場で開催される国際印刷・メディア産業展「drupa 2024」に出展し、本製品の展示も行う。
 京セラブースはホール10 小間番号 A11。

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