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2024/7/5

【急速発酵乾燥資源化システム】JET、プラスチック包装済食品廃棄物を再資源化。相模屋食料で5年間に亘るモニタリングを経て実用化

 急速発酵乾燥資源化システム「ERS」を製造・販売するJETは、「プラスチック包装された食品廃棄物の処理装置及び処理方法」において、特許権を取得した新しい技術の実用化に至った。これまで焼却せざるをえなかったプラスチック包装された食品廃棄物をそのままERSに投入できる。処理後は有機物質とプラスチック素材とに分別しやすい状態をつくり、ふるい機で簡単に分別できる。この実証を得た相模屋食料での5年間に亘るモニタリングでは、計画通りリサイクルできるようになり、業務全体の質が向上された。これを経て、2024年7月よりJETは広く食品業界に向けてこの技術の提案活動を開始する。

食品事業者を悩ませるプラスチック材で包装された処理困難物
 近年、食品業界では食品廃棄物の再資源化が進まないことが課題になっている。特にコンビニやスーパーでは、弁当類に代表されるプラスチックトレーやプラスチックで密閉された食品廃棄物が発生する。このようなプラスチック包装された食品廃棄物の再資源化には、人の手による分別(一部、機械化)が必要となる。しかし、分別にかかるコストは事業者の負担となり、リサイクル率が上がらない要因となる。そこで、人の手を必要としないプラスチック包装された食品廃棄物の再資源化方法が求められはじめた。

特許技術を生かしたERS活用によるメリット
 JETが製造・販売する「ERS」は、食品廃棄物を微生物の力で急速発酵乾燥し、わずか1日でA飼料や好気性有機質肥料に資源化する。プラスチック包装された食品廃棄物でもそのままERSに投入でき、処理後は有機物質とプラスチック素材とに分別しやすい状態をつくり、ふるい機で簡単に分別できる。この処理は、特許技術「プラスチック包装された食品廃棄物の処理装置及び処理方法」によるもので、処理する対象物を事前に人が分別する必要はない。さらに、処理後のプラスチックも、マテリアルリサイクルで再資源化、またはサーマルリサイクルで燃料利用することができる。つまり、ERSは食品廃棄物の有機物質を減容化するだけでなく、プラ新法に則った企業活動の実現を支援する。

実証(1)相模屋食料
 相模屋食料は、群馬県前橋市に本社を置き、豆腐を製造する食品メーカー。環境や女性活躍などサステナブルな活動に積極的で、ニューヨーク国連本部SDGs推進会議への出席も重ねている。
 工場では、食品廃棄物を無駄なく飼料として活用するため、プラスチックも再資源化できるERSを導入決定した。この技術を2018年7月31日に特許出願後、特許認定に先んじて2019年3月に設置。加工途中の規格外製品などプラスチック容器に入った豆腐製品から固形の飼料を生成し、複数の自社工場から排出される製品を集約して再資源化を行っている。設置前には分別作業に7名の配置を要したが、これにより人材不足の懸念も解消された。

 処理物 :豆腐およびパック入り豆腐
 処理能力:25トン/日
 処理装置:5U型
 成果物 :飼料
 導入場所:群馬県
 導入時期:2019年3月

実証(2)N社(一般廃棄物の中間処理場での事業系一廃のリサイクル試験)
 プラスチック包装された食品廃棄物やプラ容器を含む生ごみを処理、飼料に加工。

 紹介動画 : 「プラスチック包装された食品廃棄物の処理装置及び処理方法
<概要>
 処理物 :プラスチック包装された食品廃棄物、プラ容器を含む生ごみ
 処理能力:25トン/日
 処理装置:5U型
 成果物 :飼料

特許情報
 名称:プラスチック包装された食品廃棄物の処理装置及び処理方法
<日本>
 特許番号:特許第7114064
 出願日 :2018年7月31日
 登録日 :2022年7月29日
<中国>
 特許番号:ZL201980039470.X
 出願日 :2018年7月31日
 登録日 :2022年10月21日

システム概要
<ERSのコア技術=環境微生物の選択利用>
 1.設置現場周辺の土壌から普遍的にいる環境微生物を選択的に培養。
 2.微生物を本体に定着させ、設置以後、補充や交換は不要。
 3.運転停止・再開後も菌の補充等不要。
<特徴>
 1.装置がシンプル。複雑な前工程(水分調整等)、臭い対策、後工程(熟成等)が不要
 2.環境微生物使用で、菌の持ち込み、補充が不要(菌床交換なども不要)
 3.メンテナンスが楽(構成要素が少なく、故障が少ない。耐久性も高い)
 4.省スペース(施設維持に費用がかからない) 
 5.無排水(排水処理に費用がかからない)
 6.ごみの大幅な減容化が可能(運搬費用の節約可)
 7.ごみの乾燥によってハンドリングも楽
 8.栄養価の高い飼料又は肥料が製造可能(販売対価を得られる)
 9.CO2の削減、既存設備への適合など発展性や応用性が高い

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