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2025/2/18

【持続可能なバッテリー技術】QunaSys、EU助成金プログラムに採択

 QunaSysは欧州子会社QunaSys Denmark ApSを通じて、バッテリー技術の革新を目指す欧州連合(EU)助成金プロジェクト「FULL-MAP」に参画する。同プロジェクトでは、QunaSysは量子機械学習の技術を活かし、電解質や電極材料のモデリングとシミュレーションを改良することで、次世代バッテリーに適した新しい材料を効率よく見つけることを目指す。

FULL-MAPプロジェクトについて
 FULL-MAP(Furthering the Development of a Materials Acceleration Platform for Sustainable Batteries)は、EUの研究・イノベーション支援プログラム ‘Horizon Europe’ のもと提供される助成金プロジェクト。QunaSysは欧州の主要大学、研究機関、産業パートナーを含む32の組織が参加する国際コンソーシアムの一員として本プロジェクトに参画する。同コンソーシアムは、ブリュッセル自由大学(Vrije Universiteit Brussel, VUB)が主導し、各参加者がそれぞれの専門分野であるAI、ビッグデータ、自律合成ロボティクス、ハイスループットスクリーニング(HTS)などの技術を活用することで、高性能かつ環境に優しいバッテリー材料の開発を加速することを目指している。

QunaSysの役割
 QunaSysは、量子機械学習をはじめとする量子コンピュータ技術の専門知識を活かし、バッテリー用の材料開発における計算手法を高度化する。量子アルゴリズムを活用することで、電解質のシミュレーション精度を向上させ、電極の原子レベルでのモデリングを行い、バッテリー内部の構造を最適化する。これにより、より安定かつ効率的なバッテリー材料の開発を目指す。特に、QunaSysの量子技術を活用したシミュレーションは、大規模な量子化学計算を迅速に実行することで、バッテリー研究の課題を解決するのに役立つ。これにより、電極と電解質の境界面、イオンの拡散、バッテリーの劣化の仕組みをより深く理解できるようになる。

持続可能なエネルギー技術のイノベーション推進
 本プロジェクトは、電気自動車をはじめ再生可能エネルギーに対して急増するニーズに対応するため、次世代エネルギー貯蔵技術の開発を目的とした欧州連合(EU)の取り組みの1つとして実施される。計算技術やAI主導のワークフロー、量子コンピュータ技術を組み合わせることで、QunaSysとコンソーシアムの参加パートナーはバッテリー材料の開発プロセスを加速し、バッテリー効率の向上や次世代のバッテリー開発など、持続可能なエネルギー技術のイノベーションを推進する。
 Erik Stangerup, QunaSys Europe CEOは次のようにコメントしている。
 「QunaSysは、量子コンピュータ技術が材料発見におけるゲームチェンジャーとなると確信しています。FULL-MAPプロジェクトに参画し、量子シミュレーションをAIや高スループットスクリーニングと統合することで、次世代バッテリー材料の発見を加速し、持続可能なエネルギー貯蔵ソリューションの革新に貢献できることを大変楽しみにしています」
■QunaSysについて
 QunaSysは、化学や材料科学をはじめとする産業向け量子アルゴリズムの開発を牽引する量子コンピュータソフトウェア企業。量子機械学習や量子化学のほか量子技術を利用したCAE(Computer-Aided Engineering)分野に注力し、学術機関、産業界、政府機関と協力しながら、量子コンピュータの可能性を最大限に引き出し、科学的課題に取り組んでいる。

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