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2024/10/1

【据置型XRF薄膜測定装置】ニレコ、米国Bowman社と国内総代理店契約締結

 ニレコは、米国BOWMAN ANALYTICSと据置型XRF(蛍光X線元素分析法、X-ray Fluorescence Analysis)薄膜測定装置に関する総代理店契約を締結した。同社はXRFを用いた測定装置を製造するメーカーとして、電子部品、プリント基板(PCB)、めっきなどに適した膜厚測定装置を提供している。
 ニレコはこれまでハンドヘルド型XRF測定装置を販売しており、XRFについての技術的知見を蓄積している。今回、Bowman社と総代理店契約を締結し、据置型のXRF薄膜測定装置の販売・サービスを開始することで、半導体、電子部品、PCB業界への事業展開を一層進めていく。

XRF薄膜測定装置 Kシリーズ 開口時

 Bowman社は米国イリノイ州シカゴに本社を置く、被検体の種類やサイズに合わせた測定装置を多数ラインアップする据置型XRF測定装置の専門メーカー。
 同社製品は、X線を用いて測定対象をAl(アルミニウム、元素番号13)からU(ウラン、元素番号92)まで非破壊で元素測定することが可能であり、薄膜測定、元素分析、めっき分析用途として電子部品業界やPCB業界、宝飾品業界などで幅広く利用されている。また、同社は製品に直感的なユーザーインターフェースを採用してユーザビリティを高めると共に、専門メーカーとして多くのデータ、ノウハウを有している。加えて、測定対象に照射するX線をμmオーダーまで収束することで、半導体ウエハの膜厚測定やBGA(Ball Grid Array)、微小はんだバンプなど各種サンプルの測定に適した製品を揃えている。ニレコでは、このBowman社製品を同社製品の従来の販売先である日本国内の電子部品業界やPCB業界、めっき業界に加え、先端半導体パッケージング分野へ販売していくことを計画している。
 現在、半導体業界においては回路の微細化の限界を打破するため、多層化による集積度向上による性能アップを目指した取り組みが進んでいる。その有力な技術として、現在使用されている半導体パッケージ用樹脂基板に代わる次世代パッケージ基板の開発が、日本を含めた世界各国で進んでいる。次世代パッケージ基板の検査においては多層化された回路パターンの膜厚が重要となることから、超薄膜を含む基板と4層のコーティングを同時に測定可能な高分解能の半導体検出器を有し、高精度に最大5層の膜厚の測定が可能であるBowman社製XRF測定装置の活用が期待されている。
 ニレコでは、半導体、電子部品、PCB業界を対象とした事業の拡大を目指し、Bowman社製XRF測定装置の販売・サービスを2024年10月1日より開始した。
 製品の特徴は次の通り。
・幅広い製品ラインアップにより多様な測定対象に対応
・AlからUまで正確に測定
・厚さ測定、元素分析、めっき液分析
・超薄膜を含む基板と4層のコーティング(計5層)の同時測定
・直感的なユーザーインターフェース
 販売想定業界は、半導体メーカー、電子部品メーカー、金属業界。
 想定利用用途は次の通り。
・材料研究開発
・製造プロセスにおける元素分析
・汚染物質の微量測定
・積層半導体パッケージ検査
・電子部品・コネクタのめっき組成および厚さ測定
・金属仕上げ/最終仕上げにおけるXRF測定装置による厚さ測定
・めっき業界におけるコーティング厚さ測定、溶液成分管理
 シリーズラインアップは次の通り。
・Gシリーズ:ジュエリー等小サイズ向け。電動Z軸使用「ボトムアップ」測定
・Bシリーズ:車載部品、機能性多層めっき等の膜厚測定
・Pシリーズ:電子部品、車載部品、機能性多層めっき等の汎用膜厚計
・Lシリーズ:大型部品のめっき厚み計測用
・Kシリーズ:品質管理部門でも使用可能。多様なサンプルに対応
・Oシリーズ:プリント基板、リードフレーム、細線、ウエハ等、高精細検査用
・Mシリーズ:微小部スポット光学系を備えた薄膜用測定器
・Wシリーズ:ウエハ膜厚測定、微小部素材分析用
・Aシリーズ:大型自動ステージ搭載ウエハ膜厚測定、微小部素材分析用

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