アーカイブ情報
2026/1/19
【放熱絶縁シート】住友ベークライト、樹脂絶縁基板内蔵パワーモジュールに採用
住友ベークライトは、業界トップクラスの放熱性と絶縁性を兼ね備えた放熱絶縁シートを開発した。同製品は、パワーモジュールに使用される従来のセラミック基板の代替を可能にし、デンソーの車載インバーター内パワーモジュールに使用される日本発条の樹脂絶縁基板の絶縁層として採用された。
開発の背景
パワーモジュールは電力変換・制御システムの中核を担う重要なデバイスであり、産業機器、自動車産業、再生エネルギー分野から民生用途まで幅広く活用されている。近年、SiCパワー半導体の採用により、さらなる高性能化が進んでいる。特に自動車産業ではEVやPHEVのインバーター、DC-DCコンバーターなどにパワーモジュールが広く使用されており、車両の航続距離延長や電費改善、CO2排出抑制などに貢献している。
電動車が進化するにつれて、パワーモジュールの大電流、高電圧化が要求される一方で、発生する熱への対策が必須となる。同社では、パワーモジュール部材として要求される高放熱・高絶縁に対応する放熱絶縁シートの開発を2018年より本格的に開始し、量産化を進めてきた。

写真右:樹脂絶縁材を用いた金属基板 (イメージ)* 実際の量産製品とは異なるイメージ画像
放熱絶縁シートBLA-6051について
同製品は高い熱伝導性/高い電気絶縁性を有する熱硬化樹脂接着シートであり、樹脂絶縁基板の絶縁層として用いることでセラミックス基板からの代替を可能にする。同社では、熱伝導性の高い自社設計の樹脂を開発し、放熱絶縁シートに配合することで以下の5つの特長を実現した。
1. 業界最高クラスの熱伝導特性
高放熱樹脂+BNフィラー配向制御技術により、窒化ケイ素(AMB基板)相当の低熱抵抗化を樹脂絶縁基板で実現しました。この高い放熱性により、電子機器や産業機器の熱管理性能を向上し、温度上昇を抑制することで製品の信頼性を大幅に向上させることを可能にしています。
2. 高耐電圧性能
電子機器に欠かせない絶縁性能を備え、安全性を確保している。これにより、高電圧環境下でも安心して使用できる仕様になっている。
3. 薄膜化の実現
樹脂材料の特性を活かし、薄膜化を可能にしている。軽量化や設計の自由度向上に貢献し、次世代製品への応用範囲を広げる。
放熱絶縁シートBLA-6051
4. 反りの少ない寸法安定性
150℃以上での連続動作に耐えうる耐熱性を持ち、セラミックス基板に比べ半導体チップの実装工程及びパワーモジュール製品での反りに優れた特性を有しています。パワーモジュール構造の設計自由度を向上し、実装工程の簡略化やモジュール反りに起因する歩留向上に貢献いたします。
5. セラミック基板の代替が可能
セラミック基板を樹脂絶縁基板に代替することでコスト削減が期待できるうえ、樹脂の強みを活かした特性を付与することで、コスト削減と高性能の両立を実現する。これにより、セラミック基板が抱えていた課題を解決する。
今後の計画
現在、自動車用途を中心に販売を増やしており、産業用インバーター、再生エネルギー、FAなど用途を拡げていくとともに、2035年までに100億円の売上規模への事業成長を目指している。
- カテゴリー
- コンバーティングニュース

