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2024/4/23

【断熱材】アサノ不燃、燃えやすい断熱材の難燃化に成功

 アサノ不燃は、発泡ウレタン断熱材(硬質ウレタンボード)の表面に不燃木粉を被覆した試験材の性能について、防炎基準に合格することを確認した。断熱材に不燃木粉を塗布することで、燃え広がらない新たな不燃性建材として火災からの安全を確保できる。

左:発泡ウレタン断熱材(硬質ウレタンボード)に不燃木粉を加工したサンプル 右:未処理の発泡ウレタン断熱材

 

 一昨年、同社は発泡ウレタンに新開発した処理液を塗布することで、不燃性能を確保することに成功し、実験動画を公開した。この試験体は、プラスチック製品の難燃性を示す「UL94規格」において、最高ランク【5V-A】を第三者機関で確認している。

 今回、日本で初めて国土交通大臣「不燃材料」認定を木材で取得した当社の技術力や専門的知見を活かし、不燃木材の製造加工時に出る不燃木粉を活用することに着目した。同社の不燃木粉には、木材を不燃化するために使用する薬剤のホウ素が含まれているため、3つの利点がある。

① 延焼防止効果
② 防腐・防虫・防カビ効果
③ 燃焼によるCO2発生量の低減

 さらに、一般的な木粉の特長でもある、吸水性や消臭性、断熱性などもあわせもっているため、安全、健康、快適な住環境を実現できるサステナブルな建築資材と言える。この不燃木粉の塗り材を発泡ウレタンに塗布し、乾燥させた試験材の燃焼試験を行い、合板の防炎基準に合格する難燃性能を確認した。

 燃焼試験は、合板の防炎性能を評価する試験基準で実施した。未塗布の試験材は、加熱すると一瞬に着炎、延焼し、溶解したが、塗布した試験材は炎があたった部分が炭化するのみで、合板の防炎基準に合格する難燃性能を確認した。

 発泡ウレタン断熱材のデメリットである耐火性の弱さに加え、木粉に使用している薬剤により、シロアリ被害を抑制する効果も見込める。



[発泡ウレタン断熱材のメリット・デメリット]
 ゼロエネルギー住宅が推奨され、高気密・高断熱住宅や外断熱工法住宅は増加している。なかでも、発泡ウレタンによる断熱材は、断熱性や耐水性の高さがメリットであるが、一方で引火しやすく、数分で無色透明な有害ガスが発生し、死亡事故が発生するリスクがある。壁内で下地に使用されているため、瞬時に大規模火災につながることも考えられる。また、シロアリへの耐性が弱いこともデメリットと言われている。

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