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2024/7/19
【木質3Dプリント】三菱地所設計、Regenerative Wood構築。プロトタイプ・パビリオンとコンセプト映像を本店エントランスに展示中
三菱地所設計は、同社デザインスタジオおよび木質建築ラボにて、建築や家具のデザインから施工までに至る、木質3Dプリントを用いた生産システム『Regenerative Wood(リジェネラティブ・ウッド)』を構築し、そのプロトタイプと位置付けた、世界初※の木質3Dプリント建築物「TSUGINOTE TEA HOUSE」を、同社本店 総合受付に展示している。
建築工事における環境負荷の低減や工期短縮に関する検討がさまざまな観点から進む今日、新たな建築生産の手法として注目が集まるのが3Dプリント技術。本システムは、フィラメント(3Dプリンターで建築部材を出力する際に材料となる成形用の樹脂素材)に、木の製材加工時に生じる木粉を用いることで、廃棄物をリジェネラティブ(再生可能)な素材とする、資源循環の試み。
※同社調べ
「資源を無駄にしない」で、都市と建築の木造・木質化を達成するために
本システムにおける木質3Dプリント建築物は、下記のフローで生産される。
あらゆる木材加工の工程で廃材として生じる木粉を原料に、3Dプリントの安定性を確保した独自の木質3Dプリント材料を製造。プロジェクト現場付近の木を用いて原料を輸送する際に生じるCO2排出を抑制したり、3Dプリント時に出力部材の小材化を図ることで一般の物流に載せ、人の手で組み立てられるようにするなど、生産フロー全体での環境配慮を図っている。
『Regenerative Wood』の2つのプロトタイプ
『Regenerative Wood』の考え方と技術を実証するプロトタイプとして、世界初の木質3Dプリント建築物「TSUGINOTE TEA HOUSE」と、このシステムで製作したカウンター・パーテション「Regenerative Wood #1」を展開。「Good Design Marunouchi企画展 TOKYO WOOD TOWN 2040 山と木と東京」(主催:公益財団法人日本デザイン振興会、会期:2024年4月18日~5月12日、東京都千代田区丸の内)に展示し、来場から好評を博した。
うち、「TSUGINOTE TEA HOUSE」は、ジャパン・ハウス(ブラジル・サンパウロ市)で開催された「『NIHONCHA』展」(2023年12月~24年4月)と、上記「TOKYO WOOD TOWN 2040」を経て、三菱地所設計本店での展示に至っている。小規模な軽量パーツに分割・輸送し、少人数で組み立てられることから、稼働中の総合受付にて、社員4名の手作業で、約2時間程度で施工。高さ約1.9m、奥行約1.7mの三次元曲面からなり、高精度の継手仕口により、金物の使用は不要。
独自の「木質3Dプリント素材」の製造コラボ第1号としてMEC Industry社と協業
2種のプロトタイプのうち「Regenerative Wood #1」のフィラメントの製造にあたっては、三菱地所設計が技術協力などを行っている、三菱地所グループのMEC Industryより木粉の提供を受けた。製材等の際に発生してしまう木粉を無駄にしない、ゼロ・ウェイスト(Zero Waste/ゴミをゼロにする目標のもと、廃棄物量を削減していくこと)への試みとなっている。
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