アーカイブ情報
2024/5/16
【樹脂AM】YOKOITO、「HP Jet Fusion 5600 3Dプリンティングソリューション」を日本初導入。日本HPと販売パートナーシップ締結
YOKOITOは、樹脂AM(Additive Manufacturing)技術の国内での本格的な普及を目指し、2024年5月15日、粉末床融合(PBF)技術のグローバルリーダーである日本HPと販売パートナーシップを結んだ。産業用3Dプリンター「HP Jet Fusion 5600 3Dプリンティングソリューション」を同社のAM関連事業部門であるYokoito Additive Manufacturing(YAM)へ国内初導入し、樹脂AM技術の研究と開発により一層注力し、今後、最終品生産に対応したAMソリューションを提供していく。
なお、2024年5月20日~24日にかけて、実機見学ができるイベント「Meet HP AM Solutions」を開催する。
「 HP Jet Fusion 5600 3Dプリンティングソリューション」導入で包括的なサービス提供へ
YAMでは「HP Jet Fusion 5600 3Dプリンティングソリューション」を導入し、ハイエンドな最終製品の量産を見据え、このテクノロジーを用いた研究と開発を進める。これにより、設計から製造に至るまでの一連のプロセスをサポートするDfAM(樹脂AMを活用した設計・開発支援)コンサルティングサービスと効果的な後処理システムを含むパッケージの開発も始め、顧客に対して最適なAM生産ソリューションを提供する。
日本初導入となる「HP Jet Fusion 5600 3Dプリンティングソリューション」は、HP社が開発した産業用3Dプリンターで、Multi Jet Fusion(MJF)技術を採用。ポリアミド(ナイロン)などを素材として、高速かつ安定的にプリントでき、量産に特化していることが特徴。中でも、シリーズで唯一造形パラメーターの調整ができることから、YAMでは素材や造形物に応じた適切なパラメーターを研究し、量産支援やポストプロセスの開発を進める予定。今まで培ってきた樹脂AM分野の技術と合わせながら、運用面に関してもサポートできる体制を整え支援していく。
MJFについて
HPによって開発された熱と化学反応を利用して粉末材料を層ごとに融合させ、精密で機能的な部品を高速で製造することが可能な3Dプリント技術で、特に高精度かつ高い生産性を必要とするアプリケーションに適している。
日本 HPと販売パートナーシップ締結
日本HPとの間で、販売パートナーシップ(正規販売代理店契約)を正式に締結したことにより、YOKOITOはHP社の「HP Jet Fusion」シリーズを国内市場に広く提供していく。これまでもYAMでは樹脂AMソリューションの提供をしてきたが、エントリーを対象とすることがほとんど。今回の販売パートナーシップをきっかけに、よりハイエンドなオートモーティブ、産業機械、家電や先端ハードウェアといった産業へ後処理技術も含めた樹脂AMソリューションの提供が可能になる。
今後の展望
日本HPとのパートナーシップを通じて、YOKOITOは日本国内におけるPBFを中心とした樹脂AM技術の普及と発展により一層寄与していく。これまでも、YOKOITOはPBF技術の研究開発を通じ、導入と市場創造を推進してきた。今回の「HP Jet Fusion 5600 3Dプリンティングソリューション」の導入を機に、今後は最終製品の量産を視野に「MJF」技術を軸にして樹脂AMでの量産という選択肢を広げていく。
HPの3D プリント事業部アジア太平洋州統括責任者のダニエル・トムセン氏のコメント
「日本におけるHP Jet Fusion販売代理店として株式会社YOKOITOがHPと提携し、弊社の既存の販売代理店と共に、長年にわたる積層造形(AM)のノウハウと多様性をもたらすことをうれしく思います。今回のHPとの代理店提携に伴い、YOKOITO社は最新の HP Jet Fusion 5600 3Dプリンティングソリューションを導入されました。この最新機種への投資は、3Dプリンティングの歩留まりを改善し、部品のコスト削減と品質向上を実現させることで、YOKOITO社の3Dプリンティングの事業を試作だけでなく大規模な生産への移行に貢献することでしょう」
YOKOITO 代表取締役CEO 中島佑太郎氏のコメント
「この度の『HP Jet Fusion 5600 3Dプリンティングソリューション』導入を通じて、弊社は産業レベルの樹脂AM生産の実現に向けて、大きなステップアップを遂げることができました。加えて、新興の業界プレイヤーである弊社を、AMにおけるグローバルリーダーであるHP社が販売パートナーとして選択されたことは、これまでの国内樹脂AM市場創造に向けた広範な活動が評価されたことと理解しており、非常に光栄です。今後も持ち前のスピーディーかつ柔軟な活動体制と、設計・造形・後処理を統合した樹脂AMプロセスの提供を通じて、国内における樹脂AM普及のオピニオンリーダーになることを目指していきます」
- カテゴリー
- コンバーティングニュース