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2024/12/6

【次世代認証基盤】NECとUPBOND、生体認証技術を活用したデジタル証明書とLogin3.0を組み合わせた技術検証開始

 日本電気(NEC)UPBONDは、NECの生体認証技術を活用したVC(デジタル証明書、注1)とUPBONDの分散型ログインソリューション「Login3.0」を組み合わせた技術検証(PoC)を開始した。この技術検証では、VCに格納された生体情報(顔画像)を用い、ユーザーの本人確認を顔認証で行うことにより、デジタルとフィジカルの両方で安全かつシームレスにサービスへアクセスできる環境を検証する。

技術検証の背景
 従来、個人認証や本人確認では、セキュリティリスク、管理の煩雑さ、人手による手間が課題とされてきた。分散型ID(DID、注2)技術とVCを活用した認証・本人確認基盤を用いることで、ユーザーは安全性と利便性を両立した形でサービスへアクセスすることが可能になるす。これにより、認証や本人確認に伴う負担から解放されることが期待される。
 NECの生体認証技術を活用したVCは、生体情報をデジタル証明書に格納し、顔認証技術と連携させることで、高精度でスピーディな本人確認を実現する。一方、UPBONDのLogin3.0は、DID技術に基づくソリューションで、ユーザーが自身のデジタルIDを管理し、安全に認証情報を活用できる環境を提供する。

技術検証の概要
 今回の技術検証では、NECの生体認証技術を活用したVCとUPBONDのLogin3.0を連携し、以下の業界での利用を想定した技術検証を行い、システムの実用性と利便性を評価する。
1. 宿泊業
 宿泊施設の課題として挙げられるチェックイン時に必要なレジストレーションカードへの記入、予約内容の確認、パスポートのコピーなど、旅行業法に基づいた業務の簡略化を図る。
2. 建設業
 建設業界では、現場への入退場管理や就業者の資格証明の確認が厳格に求められる一方で、情報管理の手間や手続きの煩雑さが課題となっている。過去の就業情報を含む信頼情報を生体情報と共にデジタル証明書化し、必要に応じて他の建設現場や企業と共有、本人確認することで、資格情報や就業履歴を安全に管理することができるようになる。これにより、管理コストの削減と現場運営の効率化が望める。
3. 自動車産業
 走行履歴や車両利用のデータなどを生体情報と合わせてデジタル証明書化することで、本人確認や信頼情報を安全に管理できるようになる。また、必要に応じて他のサービスと連携することで、利便性の高いモビリティ体験を提供する。

技術の特徴とメリット
(1)デジタルとフィジカルを横断した認証・本人確認の実現
 NECの生体認証技術を活用したVCとUPBONDのDID技術により、ユーザーはパスワードや必要情報の提示を個別に行わなくても各種サービスにアクセス可能となり、快適なユーザー体験を提供できるようになる。
(2)セキュリティとプライバシー保護の強化
 ユーザーが自身の判断で認証・資格情報を提示、共有できるため、プライバシー保護が強化される。また、生体情報を活用する事で不正アクセスのリスクを抑制する。
(3)スムーズなユーザー体験
 デジタル証明書の提示と顔認証により、ユーザーはストレスなく認証・本人確認を行え、ビジネスや生活のさまざまなシーンで利便性が向上する。

今後の展望
 NECとUPBONDは、この技術検証で得られた知見を活かし、企業、自治体、金融機関、公共施設など、さまざまな業界での活用を見据え、セキュリティと利便性の両方を備えたデジタル社会の実現に取り組んでいく。
注1 Verifiable Credentialsの略。デジタル形式で安全に管理できる証明書のことで、第三者によって信頼性が確認された情報を持ち主が自身で管理し、必要に応じて相手に証明できる仕組み。VCの大きな特徴は、ユーザーが自分の情報を自分で管理できることと、提示時にその情報の真正性が第三者に検証できること。
注2 Decentralized Identifierの略。個人が自分のデジタルIDを自分で管理できる仕組み。通常のID(例えばSNSのIDや運転免許)は企業や政府が管理しているが、DIDはブロックチェーンなど分散型ネットワークに記録されるため、第三者に依存せず、本人だけがコントロールできる。
■UPBONDについて
 「個の力で、社会をつむぐ」をミッションに掲げ、個人にライフログのフルコントロールを提供する個人主権型のライフログプラットフォームの実現を目指している。主なサービスとして、企業のIDに関連する課題を解決する個人主権型のログイン基盤「Login3.0」、個人主権型のライフログ利活用を実現するWeb3ウォレット「UPBOND Wallet」を提供している。

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