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2025/4/18

【次世代高速通信デバイス材料】出光興産、米スタートアップのNLM Photonicsへ出資

 出光興産は、出光CVC ※1を通じて、NLM Photonics(本社:米国シアトル、NLM)へ出資した。NLMは、次世代通信インフラ構築に欠かせない「高速通信デバイス材料」を開発するスタートアップ企業。今回の出資により、成長産業である高速通信デバイス分野の市場動向や技術革新の知見を獲得し、事業機会を探索していく。

※1 出光CVC(Idemitsu Corporate Venture Capital)カーボンニュートラル・循環型社会の実現に貢献するため、「低炭素エネルギー」や「先進マテリアル」分野の「革新的な新技術」に戦略的な投資を行う組織。オープンイノベーションの取り組みを加速させるため、2024年7月に同社内に設立。

 通信インフラの高度化やデジタルサービスの普及・多様化に伴い、データ通信量は急増している。さらに、AIや量子コンピュータ、ビデオストリーミング等の膨大なデータの送受信を円滑に行うためには通信の高速化が課題となっている。こうした中、高速性に優れる光信号による通信(光通信)の利用が急拡大しており、電気信号を光信号へ変換し高速光通信を行うことのできる光変調器のさらなる技術革新が求められている。

 次世代の高速通信デバイスに不可欠とされる光変調器の材料(中間原料)として最有力視されるのが「電気光学ポリマー」で、高速性と耐久性を両立させる技術開発に期待が寄せられている。NLMは「電気光学ポリマー」の開発イノベーターで、高速性と耐久性を両立させるために特に重要な熱安定性の高い材料を開発している。

電気光学ポリマー光変調器

 出光興産は長年、有機EL材料や高機能樹脂の研究開発に取り組んでおり、電気光学ポリマーの開発とも親和性がある低分子有機EL材料の設計・計算科学のノウハウやポリマー設計・重合技術を有している。今回のNLMへの出資を通じ、次世代の高速通信デバイス分野の市場動向や技術革新の知見を深め、成長産業である「高速通信デバイス」分野における事業機会を追求する。出光CVCによる出資を通じたスタートアップ企業との連携で、革新的な技術やアイデアを活用し新たな価値の創造や社会課題の解決に取り組み、中期経営計画で掲げるICT※2 ソリューション領域における新規事業を創出する。

※2 ICT: Information and Communication Technology(情報通信技術)

 

 

■執行役員 事業投資統括担当(兼)事業投資統括室長 尾沼温隆(おぬま・よしたか)氏のコメント

 昨今の社会課題と当社のノウハウ・技術力とのシナジーという観点で、「高速通信デバイス」の分野に大変期待をしています。既存事業の変革と新規事業の創出、この両輪を力強く回していくための新しい推進力として、自社のCVCを通じて、社内外の知見を融合させ、持続可能な成長戦略を強化していきます。エネルギーとマテリアルを通じて暮らしを支える企業としての使命を果たすため、その実現に向けて着実に歩みを進めます。今回の出資がNLMの成長に貢献し、当社にとっても本分野における事業機会の創出に繋がることを期待します。

 

■NLM Photonicsについて

所在地    :4000 Mason Road, Suite 300, Seattle WA 98195, USA

設立日    :2018年

事業内容 :電気光学ポリマーの開発、製造

代表者    :Brad Booth

URL       :https://www.nlmphotonics.com/

 

【参考】

プレスリリース:Emerald社とCVC推進のためパートナーシップを締結(2024年8月9日)

https://www.idemitsu.com/jp/news/2024/240809_2.pdf

 

出光CVCについて:

https://www.idemitsu.com/jp/company/rd/cvc/index.html

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