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2025/9/4
【正極材】BASF、ウェリオンに半固体電池向け正極材を初納入
BASFはBeijing WELION New Energy Technology Co., Ltd. (北京ウェリオン・ニューエナジー・テクノロジー、以下ウェリオン社、本社:中国 北京)との協力により、半固体電池向けの正極材(CAM)の大量生産分の初回ロットを納入した。これは固体電池の産業化に向けた重要な一歩となる。これにより、BASFのバッテリー事業本部は、合弁会社であるBASF Shanshan Battery Materials Co., Ltd.(BSBM)を通じて、次世代電池テクノロジーの重要なマイルストーンを達成した。

Photo: BASF
新エネルギー産業の急速な発展に伴い、市場では電池に対し、より高いエネルギー密度とさらなる安全性の向上が求められている。 半固体電池をはじめとする固体電池は、次世代電池テクノロジーとして幅広い注目を集めている。
ウェリオン社は、主に電気自動車、エネルギー貯蔵、ドローンや電動工具などの用途に用いられる固体電池技術の研究開発において、40年以上の実績を持つ先駆者として知られています。BSBMは、BASFとShanshanがそれぞれ培ってきた20年以上にわたる正極材の開発と製造の専門知識を有し、固体電池の重要な課題に対処する技術力を備えている。
2024年8月のプロジェクト開始以来、両社はシームレスなチームワークと技術向上に対する共通の取り組みにより、わずか1年で構想から量産化を実現した。BSBMの研究開発チームは、CAMと固体電解質間の界面問題を解決するため、独自の複合コーティング層を備えた超高ニッケルNCM(ニッケル・コバルト・マンガン)正極材を開発。これは、容量の増加と抵抗の低減によりエネルギー密度を高めるだけでなく、CAMと電解質の界面における副反応を抑制することで、サイクル特性とカレンダー寿命も向上させる。この提携の成功は、次世代の先進電池に向けた真のマイルストーンと言える。
BSBMの最高技術責任者であるDr.シン・シアは次のように述べている。
「このプロジェクトの商業化を実現できたのは、当社の高度な技術力と技術チーム間の緊密な連携による成果です」
また、ウェリオン社のエンジニアリング研究所の所長であるDr. ウェンジュン・リー氏は次のように述べている。
「電池産業の未来に共同で貢献できることを誇りに思います」
ウェリオン社のゼネラルマネージャーであるDr. ジン・シアン氏は次のように述べている。
「BASFの堅牢な技術と迅速な対応に感銘を受けました。固体電池業界をリードするメーカーとして、当社は次世代の半固体電池にBASFの正極材を採用していきます。今後も、国内外におけるさらなる共同プロジェクトを楽しみにしています」
BASFバッテリー事業本部のシニアバイスプレジデントであり、BSBMのCEOであるデズモンド・ロングは、次のように述べている。
「ウェリオン社からの信頼に心より感謝申し上げます。今回の提携は当社の電池材料事業における重要なマイルストーンであり、固体電池分野における大きな前進となります。今後もウェリオン社との協力関係をさらに深め、固体電池技術において共にさらなるブレークスルーを達成できることを楽しみにしています」
今回のマイルストーンは、ウェリオン社とBASFで次世代電池技術の開発、商業化、そして大規模な産業化を加速させていくという、両社のコミットメントを反映するもの。ウェリオン社の固体電池における先駆的な専門知識とBASFの先進的な材料イノベーションを組み合わせることで、両社はより安全で高エネルギー密度のソリューションに向けた有意義な進化を推進している。半固体電池用の正極材の納入に成功したことは、両社のグローバルな協業における戦略的な進展を象徴するものであると同時に、電池業界における今後のブレークスルーの基盤を築くものである。

Graph: WELION
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