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2025/11/20

【水平リサイクル】太陽工業、フレキシブルコンテナバッグ「タイコン」の本格実装へ向けたテスト運用開始

 大型膜面構造物(テント構造物)や土木・物流資材などを手がける太陽工業は、2026年初頭から、水平リサイクルのフレキシブルコンテナバッグ(製品名「タイコン」)本格実装へ向けたテスト運用を開始する。テスト運用は、合成樹脂に関連する複数の事業を展開しているロンビックを通じて1社、その他1社の事業所構内で行う。この2社では3年程度のテスト運用※1を予定している。早ければ2026年夏を目途に本格実装※2を開始する計画。ランニングタイプバッグの水平リサイクルは国内で初めてとなります。
※1 テスト運用:3年間に亘ってリサイクル製品のデータを収集・検証し、寿命設定などを行う。
※2 本格実装:既成「タイコン」と同様に使用してもらうこと。
 フレキシブルコンテナバッグは、合成樹脂や化学品、食品、配合飼料など粉体・粒体を運ぶ物流資材であり、高度経済成長期から長年に亘って国内の粉粒体物流を支えてきた。同社は1963年フレキシブルコンテナバッグの開発に成功し事業を開始以来、粉粒体バッグ市場をリードしてきた。一度限りの使用を前提とした「クロスタイプ」と、洗浄して繰り返し使用できる「ランニングタイプ」双方を製造している。製造だけでなく、洗浄やメンテナンス、管理を総合的にご提供しているランニングタイプを強みとしており、環境負荷の少ない物流システムとして国内で広く活用されている。
 同社の主力製品であるランニングタイプバッグ「タイコン」の多くは、EVA(エチレン-酢酸ビニル共重合樹脂)でできており、これまでも廃棄袋を再生ペレットとして活用してきた。このリユース活用をさらに進め、水平リサイクルするスキームの完成を推進していく。

タイコンリサイクルの取り組み
 2013年 産業廃棄物広域認定制度(プラスチック製品)の認定取得
 2021年 リサイクル化の取り組みを本格開始
 2021年 廃棄袋を利用した第1回試作バッグ
 2022年 第6回試作バッグで初めてJIS規格基準を達成
 2023年 ロンビックとリサイクルの共同研究を開始
 2024年 アカギレ傷対策を強化した第7回試作バッグで性能テスト
 2025年 第9回試作バッグで性能テスト
 2026年 ロンビックを通じて1社、ほか1社によりフィールドテスト開始

洗浄乾燥の反復テスト 15年間使用を想定した性能テスト
フィールドテスト用のバッグ

タイコンのリユース・水平リサイクルによる環境負荷低減効果
 耐久性に優れ、安全性の高いランニングタイプのフレキシブルコンテナバッグは、国内市場において不可欠な物流資材。一度限りの使用を前提とするクロスタイプと比較すると、洗浄して繰り返し使用できるランニングタイプは、元来、環境負荷の低減効果が高い物流システム。さらに、水平リサイクルバッグが本格的に導入されれば、より大きな環境負荷の低減効果を発揮できるようになる。
(1)廃棄袋の再生ペレット化
 廃棄袋の再生ペレット化は、2024年250トンを実現(過去最大量)。2021年から2024年の再ペレット化の総量は400トン。
(2)廃棄袋の水平リサイクル
 水平リサイクル「タイコン」を本格実装した場合、仮に「タイコン」の全実装数の1/3がリサイクル品となった場合は、プラスチック再生量は約270トンとなり、年間で約7%のCO2削減(約25トン/年)となる。

フレキシブルコンテナバッグ「タイコン」タイコンは太陽工業が製造・販売・レンタルしている製品

太陽工業の物流事業について
 太陽工業は1963年、合成樹脂や化学品、食品、配合飼料などの粉体・粒体の物流に適したフレキシブルコンテナバッグの開発に成功し、物流事業を開始した。当初は飼料輸送に使用されていたが、次第に合成樹脂、化学品、食品などへと用途が拡大し、現在に至るまで粒体バッグ市場をリードしている。製造だけでなく、洗浄やメンテナンスを通じて再利用可能なランニングタイプを強みとし、環境負荷の少ない物流システムとして国内で広く活用されている。

太陽工業のコンテナサービス網
 繰り返し洗浄して使用するランニング型フレキシブルコンテナバッグは、定期的な点検が必要。太陽工業では全国の5社7カ所にコンテナサービス拠点を設けており、フレキシブルコンテナバッグのメンテナンスや洗浄を行っている。

全国に広がる太陽工業ネットワーク
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