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2024/5/29

【水平リサイクル】花王、化粧品ボトルの再生・商品化を実現

 花王は、2021年より取り組んできた化粧品ボトル容器の水平リサイクルの取り組みにおいて、使用済み化粧品プラスチックボトルからなるケミカルリサイクル(*1)PET(ポリエチレンテレフタレート)素材を容器の一部に使用し、商品化を実現した。5月30日より順次、イオン・イオンスタイル146店(*2)にて、数量限定で販売する。
 使用済み化粧品容器を再び化粧品容器に生まれ変わらせる水平リサイクルには、JEPLAN(社長・高尾正樹)が保有する独自のケミカルリサイクル(*1)技術を活用。今回は、2022年に消費者から回収した使用済み化粧品プラスチックボトルを水平リサイクルし、花王グループのカネボウ化粧品が展開する「TWANY(トワニー)」の化粧水つけかえボトル容器の一部に使用している。
 今後は、化粧品プラスチックボトルの水平リサイクル社会実装モデルとして継続的な取り組みへと発展させるべく、回収スキームの構築と取り組み規模の拡大をめざしていく。
*1 使用済みの資源を化学分解によってPET樹脂の原料に変換し、再利用すること。リサイクル対象物の異物や汚れの除去といった点において優れている
*2 関東・北陸信越・東海・近畿・中四国エリアの店舗。一部取り扱いのない店舗もある

取り組みの経緯
 花王がめざす化粧品プラスチックボトルの水平リサイクルとは、回収した使用済み化粧品プラスチックボトルを用いて再生素材を製造し、化粧品ボトル容器に再利用すること。一般的に、着色や加飾が施された化粧品ボトル容器は、包装容器のPET素材へ再生することは難しいとされてきたが、花王はJEPLANと協働し、同社が保有する独自のケミカルリサイクル(*1)技術を活用することで、その実現に向けて取り組んできた。
 第1弾として、2021年6月から、JEPLANのグループ会社であるペットリファインテクノロジー(社長・伊賀大悟)が、使用済みPETボトルを用いて製造したケミカルリサイクル(*1)PET(ポリエチレンテレフタレート)素材を、「TWANY」のボトル容器に採用。バージンPET素材と同等品質の、美しい容器が製造できることを確認した。その後、「KANEBO(カネボウ)」「LISSAGE(リサージ)」「SOFINA iP(ソフィーナiP)」など、同素材の採用ブランドも順次拡大している。
 第2弾では、2022年2月から7月の期間、「TWANY」を取り扱う関東エリアのイオン直営店舗などにおいて、消費者が使用された化粧品プラスチックボトルを回収。回収した使用済み化粧品プラスチックボトルを用いて、ケミカルリサイクルによる水平リサイクルの実証実験を進めてきた。

2.今回の成果と今後の展望

 そして今回、2022年に回収した使用済み化粧品プラスチックボトルを水平リサイクルして、「トワニー ローションⅡt (レフィル)」のボトル容器の素材の一部として使用し、バージンPETと同等品質のボトル容器に再生、商品化を実現しました。5月30日より順次、イオン・イオンスタイル146店*2にて、数量限定で販売する。
 これら一連の実証実験を通して、消費者の手元にある使用済み容器を回収・再生した素材を利用し化粧品容器を製造、再び消費者に提供するという、水平リサイクルの輪がつながった。

 回収後の使用済みボトルが、ケミカルリサイクルにより水平リサイクルされ、再び化粧品ボトルになるまでの流れ

 今後は、「化粧品プラスチックボトルの水平リサイクルの取り組み」を持続可能な社会実装モデルとして確立すべく、使用済み化粧品プラスチックボトルの回収スキーム構築など、インフラ整備を進める。また、2021年10月より株式会社コーセー(社長・小林一俊)と進めているサステナビリティ領域における協働取り組みの1つとして、両社で協働することによるスケールアップをめざし、さらに検討を進めていく。

⚫ 2022 年 2 月リリース
「化粧品プラスチックボトルの水平リサイクル」と「絵具などへの化粧品再生利用の取り組み」において 花王、コーセーによる協働を開始
https://www.kao.com/jp/newsroom/news/release/2022/20220214-001/
⚫ 2022 年 12 月リリース
「化粧品プラスチックボトル水平リサイクルへの取り組み」と「絵具などへの化粧品再生利用の取り組み」両社の協働を拡大
https://www.kao.com/jp/newsroom/news/release/2022/20221207-001/

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