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2025/12/11

【水素】三菱重工業、蒸気加熱方式によるアンモニア分解パイロットプラントにて純度99%の製造に成功

 三菱重工業は、独自のアンモニア分解システム※1の開発に関して、同社総合研究所長崎地区に設置したパイロットプラントにおいて、このたび、蒸気を加熱源として利用することによって、原料のアンモニアを分解し、純度99%の水素を製造することに成功した。蒸気加熱方式によるパイロットスケールでの水素製造は世界で初※2となる。
 三菱重工業の蒸気・排ガス加熱方式は、バーナー燃焼熱を用いる従来の技術に比べ、低い反応温度でのシステムの運転を可能にするため、運転コストを削減できる。加えて、燃焼炉が不要なため、システムの小型化を実現できるなど、優れた特徴を有している。
 脱炭素社会の実現に向け、燃焼してもCO2を排出しない燃料である水素の利活用は、世界的に拡大している。中でもアンモニアは、水素を安全かつ大量に長距離輸送・貯蔵できる「水素キャリア」として注目されている。
 三菱重工業は、今回の成果を生かし、アンモニアを水素キャリアとする水素サプライチェーンの構築に向け、水素需要地の近くに設置可能な中規模・分散型アンモニア分解システムの開発を推進する。また、このパイロット試験の結果を踏まえ、新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)に採択された事業※3における開発を、日本触媒、北海道電力と協同で加速する。これらによって、脱炭素技術の早期確立・社会実装を図るとともに、持続可能なカーボンニュートラル社会の実現に貢献していく。
※1 アンモニア分解システムの詳細についてはこちらを参照。
※2 三菱重工業調べ。
※3 NEDOの「競争的な水素サプライチェーン構築に向けた技術開発事業」への採択についてはこちらを参照。

アンモニア分解水素製造装置(HyMACS(R))のイメージ図
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