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2026/2/13
【油付き PET ボトルの水平リサイクル】日清オイリオとキユーピー、協働して技術検証を実施
日清オイリオグループとキユーピーは、2024年5月から、油付きPETボトルの資源循環の実現を目指して協働で取り組んでいる※1。
長年油に向き合ってきた知見と技術検証を重ねた結果、特定の資源循環スキームにおいて、油付き PET ボトルの水平リサイクルが可能であることを技術的に実証した。
この成果は 2026 年 2 月 1 日発行の「日本包装学会誌 Vol.35, No.1, p.57-67, 2026」に掲載された。
※1 2024 年 5 月 23 日付 ニュースリリース参照

【検証の背景と目的】
日清オイリオ、キユーピーはいずれも、保存性に優れ、取り扱いが容易で、中身が見える PET ボトルを多く用いている。
飲料や酒類、しょうゆなどの PET ボトル(指定 PET ボトル※2)は、使用後に回収・洗浄され再生材料となり、PET ボトルへ戻す水平リサイクルが進んでいる。一方、食用油やドレッシングなどの油付き PET ボトルは、付着した油を再生工程で充分に取り除くことができず、再生 PET ボトルの品質に、におい移りや着色などの悪影響を与えることが懸念されていた。そのため、使用後は主に燃やしてエネルギー源として活用されており、食品用のボトルとしてのリサイクルはされていない。これらをリサイクル原料として利用可能にし、循環型社会の実現に貢献するため、油付き PET ボトルを使った実機でのリサイクル試験と再生 PET ボトルの評価を実施した。
※2 指定 PET ボトル:使用済み PET ボトル単独のリサイクルに支障のない内容物が充填された PET ボトル。具体的には清涼飲料、酒類、乳飲料、しょうゆ、食酢、ノンオイルドレッシングなどに使われたボトルで、廃棄時には他と区別して収集、リサイクルされています。国から指定表示製品(PET ボトル)として指定され、専用のマークが付けられてる。
【検証の概要】
サ ン プ ル : 日清オイリオとキユーピーの工場で充填後に検査等で排出された油付き PET ボトルを用いた。
方 法 : 特定のリサイクラーの実機にて、油付き PET ボトルを破砕・洗浄してフレークを作製し、このフレークから PET ボトル原料となるレジンを作製した。さらにそのレジンを使用し、再生 PET ボトルを試作した。
実機テストにより得られた洗浄フレークと再生レジン、および試作した再生 PET ボトルについて評価を実施した。指定 PET ボトルの自主設計ガイドライン※3 の評価項目の検証に加え、ボトルの寸法や強度評価、製品へのにおい移りなどの保存性評価、油・ドレッシング由来成分の分析等の評価を実施した。
結 果: 油付き PET ボトル由来の再生材料は、IV 値や色などが指定 PET 由来の再生材料と同等の品質であり、これを用いて作製したボトルは、寸法や強度に問題はなく、懸念されていたにおい移りや着色もないことを確認した。
※3 自主設計ガイドライン:指定 PET ボトルを、使用後の再処理、衛生性を含めた再利用適性に優れた容器とするために、PETボトルリサイクル推進協議会がボトル、ラベル、キャップ等について規定したガイドライン。

【今後の展望】
今回の研究により、特定のリサイクラーで処理をすることにより、これまで 2 社の工場で排出されていた油付き PET ボトルの水平リサイクルが可能であることが明らかになった。今後、この資源循環スキームを他のリサイクラーや油を使用する食品メーカー、容器メーカー、自治体等との取り組みに広げ、さらには行政や他業界のご理解を得て、社会全体における資源循環の実装を目指す。
【掲載誌】
タイトル: 食用油、ドレッシング PET ボトルの物理的再生法による再生材の品質評価
著 者: 平野尚美 1)、守矢大介 2)、岸健汰 1)、白澤聖一 1)、松岡祥郎 2)、和手憲幸 2)
[ 1)日清オイリオグループ株式会社 2)キユーピー株式会社 ]
雑 誌: 日本包装学会誌 Vol.35, No.1, p.57-67, 2026
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