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2024/3/27

【液晶材料】DIC、2024年12月末までに事業撤退

 DICは、カラー&ディスプレイセグメントのうちの液晶材料事業について、2024年12月末までに事業撤退することを決めた。これに伴い、同社が同事業に関連して保有する知的財産を石家庄诚志永华显示材料有限公司(所在国:中国、以下「Slichem社」)に譲渡することになった。
事業撤退の理由
 DICは、1973年に液晶材料の製造販売を開始以降、長年に亘り、主にディスプレイパネル等で使用される材料のサプライヤーとして同事業を展開してきた。しかし近年は海外メーカーとの競争激化など、事業環境の悪化が見られ、2022年2月に公表した長期経営計画「DIC Vision 2030」においては、その主力製品であるTFT液晶を「構造改革事業」と位置付けるなど、抜本的な事業価値向上策の検討を進めてきた。
 その後、様々な策を検討してきたが、厳しい事業環境が続くなか、当該事業の継続は困難と判断し、このたび当該事業からの撤退を決定した。今後は、経営資源の最適配分を意識し、早期実現性と収益性が高い成長事業に経営資源を集中投入することで、企業価値の向上を目指す。
撤退の概要
 対象製品:TFTおよびパッシブ駆動ディスプレイ用等の液晶材料
 生産拠点:埼玉工場の一部および中国子会社(青島迪爱生精細化学有限公司並びに青島迪爱生液晶有限公司)の一部
 完了時期:2024年12月末(予定)
知的財産の譲渡について
 撤退事業の一部の事業範囲および資産に関しては、現ビジネスの継続を前提とした第三者への譲渡交渉を進めており、うち、知的財産については、Slichem社に譲渡することで合意に至ったため、2024年3月24日付で該社とのあいだで譲渡契約を締結した。譲渡手続きが完了した後に、特別利益を計上する見込みだが、詳細については、拠点の閉鎖など撤退に関連して発生する諸費用等と合わせて、現在精査中。

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