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2026/2/27
【特殊変性フェノール樹脂】住友ベークライト、多様な素材に対応する樹脂群をシリーズ化
住友ベークライトは、多様化する複合材料の開発ニーズに対応すべく、各種素材への高い密着性を追求した特殊変性フェノール樹脂製品群を新たにシリーズ化した。このシリーズは、フェノール樹脂の特長である高い耐熱性・耐久性に加え、当社独自技術によって、金属から有機物・無機物まで多様な素材への優れた密着性を実現しており、多くの用途・業界で高い信頼性を発揮する。
開発の背景
近年、電子材料や車載部品、航空宇宙分野をはじめとする様々な領域で、材料の軽量化、高強度化、高耐熱化といった性能要求が、単一素材では対応困難なほどに高度化しており、複合材料へのニーズが急速に高まっている。そのような状況下で、フェノール樹脂は優れた耐久性と耐熱性を活かし、複合バインダーとして幅広く採用されております。当社では、独自の合成技術を駆使して、各種素材への高い密着性に特化したフェノール樹脂製品を開発し、各業界での実績化を進めてきた。より多くのお客様の多様なニーズに応えるべく、これら高密着性フェノール樹脂製品をシリーズ化し、ラインナップを拡充した。以下に、その代表的な製品例を紹介する。

金属密着用フェノール樹脂 スミライトレジン PR-56464

金属密着用フェノール樹脂「スミライトレジン PR-56464」は、固形のノボラック型フェノール樹脂。バインダーとして配合することで、トリアジン構造が金属表面と配位結合を形成し、金属基材に対して高い密着強度を発揮する。同製品は、電子部品等に用いられる熱硬化性材料へ配合することで、高信頼性の確保に貢献する。
銅基板との密着性評価として、フェノール樹脂成形材料を用いたダイシェア強度試験では、汎用フェノール樹脂の代わりに金属密着用フェノール樹脂「PR-56464」を配合することで、密着強度が大幅に向上した。また、試験後の破壊モードを比較すると、「PR-56464」配合材料では凝集破壊が観察されており、このことからも接着強度の向上が確認できる。

カーボン密着用フェノール樹脂スミライトレジン PR-56091(溶剤系)/AQNOA PR-56542(水系)

カーボン素材は、その優れた軽量性や高強度、高熱伝導性から、多くの先端分野で利用されていますが、化学的に安定した構造を持ち、表面に官能基がほとんど存在しないため、他素材との密着が難しいという課題がある。
同社のカーボン密着用「スミライトレジン PR-56091」および「スミライトレジン AQNOA PR-56542」は、カチオンπ相互作用によりカーボン素材との親和性を高めたフェノール樹脂。これらをカーボン系複合材料のバインダーとして使用することで、カーボン素材との親和性が向上し、密着性や耐久性が改善する。また、フェノール樹脂は合成樹脂の中で極めて高い炭化収率を有しているため、炭化焼成させることによって、カーボンバインダーとしても機能を発揮する。
中でも、「スミライトレジン AQNOA PR-56542」は環境性能に優れた水溶性タイプのフェノール樹脂であり、環境負荷物質であるフェノールやホルムアルデヒドを0.1%未満まで低減させた同社独自の製品となる。
詳しくは以下HPを参照。
その他ラインナップ
無機フィラー、アラミド繊維、鋼板、水性塗料配合用など、様々な素材に特化した高密着性フェノール樹脂をラインナップしている。各品番の詳細データはHPで公開。
環境負荷低減とサステナビリティ
高密着性特殊変性フェノール樹脂シリーズは、高い密着性を通じて、接着剤量や前処理工程の削減、および複合材料製品の耐久性を向上させることで製品寿命の延長により廃棄物の削減が期待できる。これにより、持続可能な社会の実現に貢献する。
今後の計画
高密着性特殊変性フェノール樹脂の販売を通じて、お客様の多様化する材料設計ニーズを的確に把握し、同社の強みである樹脂開発力を最大限に活かした高機能なポリマー新製品の開発を積極的に進め、半導体、モビリティ、エネルギーといった重点分野において、2030年度までにグローバルでの年間売上収益20億円に向けて取り組んでいく。
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