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2025/11/12

【環境配慮型食品容器】中央化学、国内初の高発泡PETなど2種の新素材容器を開発

 中央化学は、この度ポリエチレンテレフタレート(PET)を主原料とした2種の新素材の容器を開発した。

 中期経営計画「Challenge 2028」で「もっとも環境対応に優れた製品群を提供できるトップランナー」を掲げる同社は、環境適応型素材として注目されているPETを原料として、食品包装容器の製品ラインアップを充実させることで多様化する環境配慮へのニーズに応える。

1.開発の背景

 日本の食品包装容器市場はポリスチレン(PS)素材が主流だが、海外ではPS容器への規制や、製品や包装材を単一の素材で構成する“モノマテリアル化”を推進する動きも見られる。そこで同社は、将来の変化を見据え、多様な用途に対応できる製品ラインアップの充実に取り組んでいる。
 その一環として、高性能のPET押出機を同社中国拠点に導入し、日本と中国が連携して製品開発を進めていた。

2.新素材の概要と特長

 PET素材の持つ「バリア性(酸素等不透過性)」、「耐油性」、「耐衝撃性・引張強伸・突き刺し強度」を共通の特長として、発泡体素材(名称:CVP)と、従来品より耐寒性を向上させた新型C-PET(名称:NCP)の2種を開発した。

(1)発泡PET (名称:CVP)

 これまでPETはソリッド容器・蓋など非発泡での利用が主流であった。一方で発泡PETについては、製造技術・コストの課題から利用が限定的であった。この課題を克服すべく、当社は高発泡PETシート及び容器の開発に中国で着手した。生産設備を無錫中央化学有限公司(江蘇省江陰市)に導入し、日本の生産技術部門・研究開発部門と連携して開発を進め、この度完成に至った。

 割れ・引き裂きに強く、他樹脂と複合化させることなく耐油性を得られるPET素材の特長を活かし、発泡させることで食品容器として適切な強度を保ちながら軽量化(非発泡PET比で約90%重量削減)を実現した。これにより省資源化できる環境配慮型製品となっている。

 さらに、発泡させたことにより生まれた柔軟性・弾力性を活かし、新たな用途へも展開させたいと考えている。

(従来品との機能比較) 

     CVP    従来製品    A-PET(非発泡)     従来製品     PSP(発泡) 
 発泡     〇     ✕     ◎  
 耐油性     〇      〇     ✕  異素材を必要とする 
 強度〇割れにくい・裂けにくい 〇弾力性あり〇割れにくい・裂けにくい ✕弾力性なし✕割れやすい・裂けやすい 〇やや弾力性あり 
写真は試作品。実際の製品と仕様が異なる場合がある

(2)新型C-PET (名称:NCP)

 高温度調理が可能なC-PET容器はすでに市場に流通しているすが、その利用は一部用途に限られています。当社は今後冷凍食品市場の拡大が見込まれることを商機ととらえ、従来品より耐寒性を向上させた新型C-PET容器の開発に着手した。同時にPETボトル由来のリサイクル材の配合も検証を進めるべく、東莞中央化学有限公司(広東省東莞市)に生産設備を導入した。日本の生産技術部門・研究開発部門と連携しながら開発を続けた結果、リサイクル材を配合しても品質を維持できる技術を確立しました。耐寒性向上についても一定の目途がつき、今後さらなる性能向上を目指して開発を加速させる予定だ。 

 PET素材の持つ基本特性に加え、幅広い温度適性を有することで、冷凍から電子レンジだけでなくスチームコンベクション調理やオーブン調理までに対応した容器として、今後日本及び海外市場での販売を目指す。

(従来品との機能比較)

    NCP   従来品    C-PET   従来品  フィラー入りPP   (耐寒タイプ)
耐寒性    〇    (開発中)    ✕     ◎
バリア性    〇    〇    ✕ ラミフィルム等が必要
TOPシール    可    可    可
リサイクル材配合    実証済み   確認できず           (*)    -
耐熱温度   220℃   220℃   130℃
 (写真は試作品。実際の製品と仕様が異なる場合がある)

                  
(3)今後のビジネス展開

 これら新素材製品の展開に当たり、ユーザーとのテストマーケティングを重ねながら、顧客ニーズに適した製品展開を進めていく。

 同社は、プラスチック使用量を削減した環境配慮型素材の製品ラインアップ拡充により、人手不足対応や作業効率化など、製品価値の向上が求められている食品容器市場において、顧客のニーズに適した製品を提供していく。

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