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2024/1/11
【生分解性接着芯】日東紡アドバンテックス・Bioworks、「生分解性ダブルドット」接着芯を共同開発
日東紡アドバンテックスとBioworksは、業界初となる「生分解性ダブルドット」接着芯を共同開発した。
「生分解性ダブルドット」接着芯の開発背景
ファッション業界においてサスティナビリティへの関心が高まる中、表地を中心に生分解性を有する素材が開発されているが、接着芯地での開発例は多くなかった。接着芯地は衣料の様々な部位に使われることから、生分解性を有する芯地開発は衣料のコンポスト化やPLAクローズドループ構築に非常に重要である。
日東紡アドバンテックスとBioworksは生分解性を有する様々な衣料を提供するため、2022年より接着芯地の共同開発に取り組み、「PlaX™」を使用した生地とポリ乳酸(PLA)を使用した「接着剤」等から成る、「生分解性ダブルドット」接着芯を開発した。
「PlaX™️」は、工業用コンポスト下において加水分解が進み、最終的に水と二酸化炭素へと分解される。
「生分解性ダブルドット」接着芯が実現したことで、いままでは困難であった接着芯を使用した衣料のコンポスト処理が可能となり、かつダブルドット芯地であることから幅広い衣料への展開が可能となるため、ファッション業界におけるクローズドループ推進への先駆的な一歩として、循環型社会の実現に貢献することが期待される。
日東紡アドバンテックスとBioworksは、2024年にフィラメントの「生分解性」接着芯の開発を予定。今後もさらなる共同研究を進め、環境への負荷を考慮した持続可能な副資材の開発に取り組んでいく。
Bioworks代表取締役 今井行弘氏コメント
Bioworksはポリ乳酸をベースとして環境負荷低減に貢献する素材の開発を通じ、持続可能な社会の実現を目指しています。
今回は注力する繊維業用途において、日東紡アドバンテックス様との共同開発により生分解性の接着芯の開発に成功いたしました。
共同開発によって生まれた接着芯は、従来の製品と比べて環境負荷を低減するだけでなく、優れた接着性を持った汎用性の高いダブルドット芯地を採用しているため、より多くの衣料品への使用が期待できます。また「生分解性」接着芯の開発は、ファッション業界におけるリサイクルプロセスの改善に貢献し、廃棄問題を解決する一助となるでしょう。
Bioworksは今後もさらなる技術革新およびパートナー企業各社との連携を通じて、持続可能な社会の実現に貢献できるよう取り組んでまいります。
PlaX™️(プラックス™️)とは
「PlaX™」は、サトウキビなどの植物を原料とするバイオプラスチック「ポリ乳酸(PLA)」に、Bioworksが独自に開発した「植物由来の添加剤」を加えることで、品質と機能をアップデートしたカーボンニュートラルな新しい素材。
石油由来の合成繊維であるポリエステルなどの代替はもちろん、新たな用途への展開も進む新しい素材として世界的に注目を集めている。
《PlaX™の特長》
・ポリエステルと比較して糸製造時のCO2排出量を41%削減。
・微生物によって水やCO2に分解される「生分解性」を持つ。
・廃棄物から同等の素材を再生産する「ケミカルリサイクル」と相性が良く、資源を循環させるクローズドループの実現に向けた研究開発が進む。
・焼却廃棄時のCO2排出量を大幅削減。ダイオキシンなどの有害物質も発生しない。
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