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2025/8/1

【発電出力調整】NEDOと大崎クールジェン、CO2分離・回収型IGCCの能力向上を図る技術開発の実証試験開始

 NEDO(新エネルギー・産業技術総合開発機構)大崎クールジェンは、「CO2分離・回収型IGCCの調整能力の向上に資する技術開発」における実証試験を2025年8月1日に開始した。この事業では、二酸化炭素(CO2)分離回収設備を備えた石炭ガス化複合発電(IGCC)にて電力系統の変動に対応できるよう、発電出力を俊敏・柔軟に変化させる技術開発をするとともに、これら各設備の出力変動に伴う耐久性評価を行う。同技術開発により電力系統への再生可能エネルギー導入拡大に伴う系統安定運用と脱炭素化の両立を実証し、CO2分離・回収型IGCCの社会実装を加速させる。
背景
 NEDOと大崎クールジェンは、これまでに高効率石炭火力発電技術の開発に加え、CO2分離回収技術を組み合わせたCO2分離・回収型IGCC※1の実証試験を実施しており、CO2回収効率90%以上を達成※2した。
 また、2023年度~2024年度にかけて、世界初のCO2分離・回収型IGCCへのバイオマス混合率50%(発熱量基準)を達成※3し、商用機を見据えた最適システムおよびネガティブエミッションの見通しを得た。
 一方、2050年カーボンニュートラルに向けた長期展望では、太陽光や風力などの再生可能エネルギーの拡大が想定され、火力発電には調整電源として電力系統の需要変動や周波数変動を補う調整力、電力系統の安定化を保つ慣性力・同期化力などの重要な役割を担うことが期待される。

実証試験概要
実証試験スケジュール

実証試験の概要
 季節や時間帯におけるそれぞれの電力需要パターンを想定したCO2分離・回収型IGCCの発電出力調整を行い、出力変動に対応した各設備の調整手法の検証、および出力変動に伴う各設備の耐久性などを検証するため、今回の事業における実証試験を2025年8月1日に開始した。
 同事業の成果により、将来の再生可能エネルギーの導入拡大に伴う電力系統の変動に対して、CO2分離・回収型IGCCが俊敏・柔軟に出力を変化させることができることを検証する。
今後の予定
 NEDOと大崎クールジェンは実証試験で得られた成果を通じて、環境価値が高く、需給調整能力を有したCO2分離・回収型IGCCの社会実装へつなげていく。また、分離・回収したCO2の一部を隣接するカーボンリサイクル実証研究拠点※4へ供給し、カーボンリサイクル技術の開発にも引き続き貢献していく。

実証試験プラント全景(広島県豊田郡大崎上島町、中国電力大崎発電所内)

※1 IGCC
 IGCCはIntegrated coal Gasification Combined Cycleの略称で、石炭をガス化し、ガスタービンと蒸気タービンを組み合わせることにより、従来型石炭火力に比べ発電効率と環境性能を向上させた次世代の火力発電システム。
※2 CO2回収効率90%以上を達成
 事業名:カーボンリサイクル・次世代火力発電等技術開発/石炭ガス化燃料電池複合発電実証事業/CO2分離・回収型酸素吹IGCC実証
 事業期間:2016年度~2022年度
 成果概要:「カーボンリサイクル・次世代火力発電等技術開発/〔1〕石炭ガス化燃料電池複合発電実証事業
※3 バイオマス混合率50%(発熱量基準)を達成
 事業名:カーボンリサイクル・次世代火力発電等技術開発/石炭ガス化燃料電池複合発電実証事業/CO2分離・回収型IGCCにおけるバイオマス混合ガス化技術開発
 事業期間:2023年度~2024年度
 成果概要:「カーボンリサイクル・次世代火力発電等技術開発/石炭ガス化燃料電池複合発電実証事業/CO2分離・回収型IGCCにおけるバイオマス混合ガス化技術開発
※4 カーボンリサイクル実証研究拠点
 NEDO事業「カーボンリサイクル・次世代火力発電等技術開発/CO2有効利用拠点における技術開発」を行っている。
 事業名:カーボンリサイクル・次世代火力発電等技術開発/CO2有効利用拠点における技術開発
 事業期間:2020年度~2027年度
 事業概要:カーボンリサイクル実証研究拠点

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