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2024/5/31

【省エネ補助金】MipoxのIH粉体塗装システムが「先進設備・システム」に採択

 Mipoxは、IH(高周波誘導加熱)粉体塗装システムが令和5年度補正予算「省エネルギー投資促進・需要構造転換支援事業費補助金(通称:省エネ補助金)」「工場・事業場型」における「先進設備・システム」に採択されましたことを発表した。
 省エネ補助金は、先進的な省エネ設備や、工場・事業場に合わせ、電化や脱炭素目的の設備等の更新費用の一部の補助を受けることが可能となる。同システムは、経済産業省 資源エネルギー庁に設置された「先進的な省エネ技術等に係る技術評価委員会」の審査項目に基づき、環境共創イニシアチブ(SII)によって高性能な設備として認定された。これにより、同システムを導入する顧客は一部の補助を受けることが可能となる。

対象設備について

 IH(高周波誘導加熱)粉体塗装システム
省エネルギー投資促進・需要構造転換事業費補助金制度 公式サイト
 ※複数年度事業にわたる投資・事業計画も対象となる。
 ※新たな支援策「(II)電化・脱炭素燃転型」が追加されました。

IH粉体塗装システムについて 

 このシステムは、塗装焼付乾燥工程および熱処理工程において、化石燃料から電気への転換を実現するために設計されている。これにより、省エネルギー、省スペース、脱炭素を実現、環境に優しい製造プロセスの提案が可能になる。対象物に合わせて効率的に加熱できるフレキシブルなコイルも設計できる。(特許申請中:特開2022-021618)

IH粉体塗装システム導入イメージ
従来の塗装焼付乾燥工程

 従来のガスのみの塗装焼付け工程では、乾燥時間が長いため化石燃料の使用量も多く、広いスペースを必要としていた。

電気とガスのハイブリッド乾燥のイメージ

 厚物や立体形状の金属部品は、電磁波が均一に伝わりにくく、温度が上がりにくい傾向にある。この場合、IHコイルを予備過熱として使用することで、従来の焼付乾燥(ガス供給)の稼働時間を短縮することが可能となる。

電気のみの乾燥システムイメージ

 薄物や複雑な構造を持たない形状の金属部品は、電磁波が均一に伝わりやすく、温度が上がりやすい傾向にある。IHコイルのみで焼付乾燥することが可能のため、大幅な乾燥時間の短縮の他、スペースを3分の1まで削減した事例もある。

電磁界解析シミュレーションによる専用IHコイルの設計事例
 金属部品を直接加熱するIH(高周波誘導加熱)は、電気加熱炉の一種。金属部品とコイルの距離によって電磁波の伝わりやすさ(温度)が変わるため、同一ラインで厚物を短時間で加熱しようとすると薄物は温度が上がりすぎるといった品質課題がある。
 IH(高周波誘導加熱)粉体塗装システムで採用しているIHコイルの位置変更機構は、上記課題を解消させる独自の手段となる。この機構は金属部品とコイルの距離を変更できる距離変更手段、および複数のコイル同士の上下方向の対向間隔を変更する間隔変更手段を備えることを特徴としており、フレキシブルコイル技術として特許を出願している。(特開2022-021618)

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