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2025/11/19

【COATING】キヤノンマーケティングジャパン、独VON ARDENNE社と真空成膜装置・EBコンポーネントの独占販売契約締結

 キヤノンマーケティングジャパン(キヤノンMJ)は、独VON ARDENNE(フォンアルデンヌ)社(VON ARDENNE GmbH CEO : Pia von Ardenne、以下フォンアルデンヌ) と、日本国内における独占販売契約を締結し、研究開発から生産ラインに対応可能な同社製の真空成膜装置および成膜用電子ビームコンポーネントの販売を開始する。
 近年、地球温暖化への対策が世界的な課題となっており、持続可能な社会の実現に向けた技術革新への取り組みが加速している。特に、再生可能エネルギーの導入拡大に向け、太陽電池のエネルギー変換効率のさらなる向上など、各分野において革新的な技術開発が求められている。これらの課題やニーズに対し、高機能な真空成膜技術は、太陽電池や電子部品などの性能を大きく向上させることで、環境負荷の低減を実現する重要なソリューションとして注目されている。
 フォンアルデンヌは、成膜技術を核とした産業用装置メーカーであり、研究開発から量産まで一貫して支援する体制を備え、世界50カ国以上に1000台超の装置導入実績を持つドイツのグローバル企業。
 同社は、持続可能な社会を目指し、気候変動など地球規模の課題に対して、石炭や石油などの従来型エネルギーから、太陽電池や水素エネルギー関連の高効率材料製造装置を通じて、環境負荷の少ないエネルギーへの転換を推進している。

太陽電池向け成膜装置
建材/自動車向けガラス大面積成膜装置
電子ビームコンポーネント

 同社の強みは、電子ビーム蒸着(※1)やマグネトロンスパッタリング(※2)などの高度な成膜技術により、光学・電気・熱・機械特性を自在に制御した多層膜の形成が可能な点であり、エネルギー・モビリティ・情報通信分野における製品性能の飛躍的な向上を実現している。さらに、電気自動車やスマートデバイス向けの超薄膜技術により、バッテリー効率やセンサー精度の向上にも貢献している。今後は、これらの革新技術を半導体分野の成膜工程へ展開する計画。
 キヤノンMJ は、日本国内における独占販売契約を締結し、フォンアルデンヌ社製の真空成膜装置および成膜用電子ビームコンポーネントの販売を開始する。あわせて、技術サポートや現地サービスも提供する。これにより、環境負荷の低減に貢献する製品の提供を通じて、持続可能な社会の実現に向けた取り組みをさらに強化する。
※1 真空中で電子ビームを材料に照射し、加熱・蒸発させて基板上に薄膜を形成する技術。
※2 ターゲット材料に高電圧をかけて発生させたプラズマ中のイオン衝撃により叩き出したターゲット粒子を基板に薄膜として堆積させる成膜技術。
<成膜アプリケーション例>
• 建材/自動車用ガラスへの大面積成膜(特に建材用ガラス薄膜は、エネルギー消費を大幅に削減するため環境保護にも寄与)
• 薄膜太陽電池成膜(ペロブスカイト太陽電池の課題である寿命の長期化と大型化に対応可能な高耐久性・大面積コーティングを実現)
• 食品包装用透明SiOxバリア層の成膜(従来のアルミコーティングフィルムに比べリサイクルが容易で環境負荷低減に貢献)
• タービンブレード成膜(航空機エンジンやガスタービンの高効率化に必要な高い燃焼温度と温度変動に耐える高性能セラミック膜の形成が可能)

カテゴリー
コンバーティングプロダクツ&テクノロジー

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