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2025/9/1

【窒素吹付濃縮停止装置】昭光通商、水の安全を守る「EVAN-HEX」でPFAS分析作業を効率化

 昭光通商の連結子会社で窒素吹付濃縮停止装置である「EVAN-HEX(エバン-ヘックス)」の国内の総代理店である昭光サイエンスは、同装置を用いた研究成果を、栗田工業ランドソリューションが研究集会において発表したことを発表した

 この研究により、人体に有害な可能性が指摘されている有機フッ素化合物「パーフルオロアルキル化合物(PFAS)」の分析効率化が進み、生活に欠かせない水の汚染状況を、より迅速かつ正確に把握することができるようになる。

■PFAS分析に注目が集まる背景

 2025年6月30日に、環境省が公布した「水質基準に関する省令の一部を改正する省令」及び「水道法施行規則の一部を改正する省令」にあるとおり、PFASのなかでも特に問題視されているペルフルオロオクタンスルホン酸(PFOS)およびペルフルオロオクタン酸(PFOA)について、水道水の水質基準が新たに設置される流れがあり、また公共用水域等におけるPFOSおよびPFOAについて、「指針値(暫定)」に代え、「指針値」を設定する運びとなっている。

 背景には、PFAS汚染の全国的な拡大があるといわれている。

 

■研究成果

 栗田工業とランドソリューションは、2025年6月25日(水)~26日(木)に行われた第30回地下水・土壌汚染とその防止対策に関する研究集会にて、「環境水中PFAS分析における前処理操作の効率化」についての研究成果を発表した。本研究は、昭光サイエンスが販売する窒素吹付濃縮停止装置「EVAN-HEX(エバン-ヘックス)」を用いて、環境分析の作業効率と操作精度の向上を実現するもの。

 従来のPFAS分析の前処理では、抽出液の濃縮工程に熟練技術と多くの時間を要することから、その効率性が課題とされてきました。今回、栗田工業とランドソリューションは、PFAS分析法の一つである環境省通知法に基づく前処理の濃縮工程において、窒素吹付濃縮停止装置「EVAN-HEX(エバン-ヘックス」を導入しその有効性を検証した。

 窒素吹付濃縮停止装置「EVAN-HEX(エバン-ヘックス)」は、窒素吹付と液面センサーを組み合わせ、目標液量に到達した時点で自動的に窒素吹付を停止することが可能であり、作業者の負担が軽減される。また、従来の手作業による誤差を抑制し、濃縮後の液量を高精度で制御できるようになった。

 この研究成果により、PFAS分析現場における人的負担の軽減が可能となり、また私たちの生活に欠かせない水の汚染状況を、より迅速かつ正確に把握することができる、持続可能な社会(SDGs)へ貢献することが可能となる。

 

■榎本幹司様コメント(栗田工業株式会社) 

 弊社は水処理会社として近年問題となっているPFASに汚染された水の処理の研究開発に取り組んでおります。研究開発の効率化を目的に自社内でのPFAS分析体制の整備を行ってきました。これまで手作業に大きく依存していた分析前処理の工程のうち、抽出液の濃縮工程が、窒素吹付濃縮停止装置「EVAN-HEX(エバン-ヘックス」の活用により自動化が可能となり、現場の生産性向上に大きく寄与する新たな手法となったと考えています。これにより、処理時間の短縮だけでなく、作業の均質化や再現性の向上といった副次的な効果も得られ、今後の研究開発の質的向上が期待できます。

 

発表資料「環境水中PFAS分析における前処理操作の効率化

 

■製品紹介

 窒素吹付濃縮停止装置「EVAN-HEX(エバン-ヘックス)」とはテクノシグマ(岡山県岡山市)、創造化学研究所(岡山県岡山市)が開発・製造し、昭光サイエンスが国内総代理店権を有する、高精度な濃縮作業を自動化・効率化する装置。

窒素吹付濃縮停止装置「EVAN-HEX(エバン-ヘックス)」

■今後の展望

昭光サイエンス 

 今回の研究において昭光サイエンスが提供した機器は、任意の残液量に濃縮が可能な液面センサーを搭載した窒素吹付濃縮停止装置です。この機器は、「ダイオキシン類分析における最終工程の濃縮」や「PFAS分析の前処理」などを取り扱う企業や大学、公的機関にご導入をいただいています。今後も、製品の提供だけでなく、お客様のお困りごとに寄り添い、“信頼されるサポート体制”の構築にも力を入れてまいります。

 窒素吹付濃縮停止装置「EVAN-HEX」は、2025年9月3日(水)~5日(金)に幕張メッセで開催される「JASIS 2025 分析機器・科学機器総合展」に出品される。

「JASIS2025」出展についての詳細はこちら

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