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2025/8/25
【粘着】ハリマ化成、「高耐熱性粘着付与剤」を開発
ハリマ化成グループは、高耐熱性粘着付与剤を開発し、現在、国内外メーカー向けにサンプルワークを進めている。
同社は長年にわたり、松から得られるロジンの粘着性を活かして、粘着剤の性能を高める粘着付与剤(タッキファイヤー)を製造・販売している。粘着剤は、圧力をかけるだけでくっつき、一度貼り付けた後もきれいに剥がせる素材として、宅配便の紙ラベルや粘着テープなどに広く使われている。同社は、これらの技術を活用して、自動車産業をはじめとする領域に横展開していく。
自動車の内装パネルを車体に取り付ける際には、強力で簡単に剥がせない「接着剤」が主に使われている。しかし、乾燥に時間がかかることや、環境や作業者への負荷が問題視されている揮発性有機化合物(volatile organic compounds, VOC)を発生させることなどが課題となっている。
一方、粘着剤は部品を瞬時にくっつけることができ、糊残しなく剥がせるためリサイクル性に優れているほか、現場でのVOC発生を抑えられることから、接着剤の代替品として期待されている。ただし、自動車の内装に粘着剤を使用する場合、夏場の車内温度は約70℃に達することもあるために、高い耐熱性が求められる。粘着剤と粘着付与剤の相溶性(混ざりやすさ)が低いことから、従来品では添加量に制限があり、耐熱性能においては十分な効果を発揮できていなかった。 新しく開発した粘着付与剤は、熱に強いロジン成分をより多く配合できるよう、粘着剤とよくなじむ設計を行い、相溶性を高めた。添加可能な粘着付与剤の量が大幅に増えたことで、従来品の約2倍の耐熱性を発揮する。これにより、粘着剤の自動車製造へのさらなる適用が可能となり、生産効率の改善や環境負荷の低減につながる。耐熱性と相溶性を両立した粘着付与剤はこれまでになく、今後はこの技術を活かして、新たな価値を創造していく。
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