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2024/5/10

【紙製インクカートリッジ】ミマキエンジニアリング、脱プラ対応カートリッジを出荷開始

 産業⽤インクジェットプリンタ、カッティングプロッタ、3Dプリンタを手掛けるミマキエンジニアリングは、プラスチックを主な原料としている同社のインクカートリッジの材料の一部を紙製に変更した「紙製インクカートリッジ」を5月より全世界に向け出荷を開始した。製品の脱プラスチックによるサステナブルなプリントビジネスを世界中の同社顧客へ提案する。

 紙製インクカートリッジは同社のサイングラフィックス市場向け主力製品であるエコソルベントプリンタ用のインクカートリッジ(SS21ソルベントインク440ml)に採用し、2023年5月より日本国内で先行して販売をしていたが、日本国外への出荷準備が整ったため全世界に向け同インクカートリッジの出荷を開始。

 同インクカートリッジは、これまでプラスチック製カートリッジを採用していた。カートリッジの素材を現行のプラスチックから紙に置き換えることで、カートリッジ1本当たりのプラスチック使用量を削減した。同社では、「脱プラ推進プラスチック削減率」という独自の自社基準を設けており、同インクカートリッジでは削減率68%を達成。これにより、プラスチック使用量を年間約44t削減と、プラスチック製造工程における年間約57tのCO2の排出量の削減を見込む。さらに紙製インクカートリッジはプラスチック製からの軽量化を実現し、これによる全世界への輸送※に掛かるCO2排出量年間約8t削減を見込み、脱炭素社会に貢献する。

※同社の同製品工場から同社主要倉庫または港までの陸送と港から一次寄港地までの船舶輸送を対象とした削減量を同社基準で算出

 また、同インクカートリッジは昨年「デザインからロジスティックスまで」をスローガンとする2023日本パッケージングコンテストにおいて工業包装部門賞を受賞した。容量・重量・コストを軽減しながら省資源、省人化に応える包装であることを日本包装技術協会から評価された製品。
 ミマキエンジニアリングでは、これまでも地球環境の保全、資源の有効活用という環境テーマに対する取り組みの一環として、使用済み純正インクカートリッジ、インクパック、インクボトルの無償回収を実施してきた(一部のエリアに限る)。紙製インクカートリッジへの移行は、樹脂材料のリサイクルを目的とした無償回収の取り組みを一歩進め、脱プラスチックを推進するもの。

SDGsへの貢献
 ミマキエンジニアリングおよび同社グループは、サステナビリティ対応の一環として、資源循環型の経営・技術に鋭意取り組んでいる。これまでも独自のインクジェット技術を通じて社会・環境ニーズに貢献するデジタル・オンデマンドプリント事業の拡大を推進してきた。同社のSDGsに対する主な取り組みは以下の通り。
・インクジェットプリンタの提案…デジタルオンデマンド生産により廃水と余剰在庫の削減に貢献
・資源循環貢献技術「ネオクロマトプロセス」開発…テキスタイル資源再利用によるCO2排出量削減に貢献
・捺染顔料転写システム「TRAPIS(トラピス)」発表…専門技術や職人に頼らず生地の捺染が可能な製品
・工業製品プリント自動化システム「M2COA」発表…作業時間の削減によりプリントサービスビジネスの人手不足の課題解決に貢献

 上記に加え、環境対応として2Lインクパック緩衝材削減の取り組みを、本社工場で先行開始し、2023年3月よりインクを生産する同社全ての工場へ展開。今後も、デジタルトランスフォーメーション(バリューチェーンを含めた新たな付加価値につながるデジタル化)を的確に捕捉し、さらに深化すると思われる無人化・省人化、高速化・高品質化、無水捺染等の高度な付加価値につながる社会・環境ニーズにいち早く対応していくとともに、より環境に配慮した事業活動を推進し、地域貢献・持続可能な社会の実現に向けて取り組んでいく。
 ミマキエンジニアリングのSDGsに関する取り組みの詳細については、ウェブサイトを参照。
https://ir.mimaki.com/about/sustainability/






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