アーカイブ情報

2024/4/4

【繊維・フィルム素材への多孔化技術】FiberCraze、マレーシアにおける感染症研究機関「マラヤ大学 TIDREC」と契約締結。デング熱・マラリア課題をナノ素材の力で解決。東南アジアでの研究開発を本格化

 高機能性素材を開発する岐阜大学スタートアップ、FiberCrazeは、このたびマレーシアの最先端技術が集結するマラヤ大学に属する感染症研究センター、Tropical Infectious Diseases Research & Education Centre (TIDREC)(本部:マレーシア クアラルンプール / PROF. DR. SAZALY BIN ABU BAKAR)との間で、感染症対策技術に関する共同研究の実施を目的としたMemorandum of Agreement(MoA)契約の締結を行った。

 近年、東南アジアでは、気候変動や都市化によって悪化したデング熱やマラリアなどの感染症による課題が深刻化している。気候変動により蚊が生息しやすい環境が拡大し、これらの病気の伝播範囲が広がっている。さらに、蚊が従来の殺虫剤に対して抵抗力を持つようになったことで、感染症の予防と駆除が一層困難になっている。
 FiberCrazeとマラヤ大学TIDRECのパートナーシップは、この課題に対する持続可能で革新的な対策を模索するもの。病気の予防と制御に向けたこの取り組みは、感染症が日常生活に与える影響を軽減し、地域社会の健康を守るための重要な一歩となる。
 今回のMoAにより、FiberCrazeは、自社独自の世界初の繊維・フィルム素材への多孔化技術を利用した先端素材「Craze-tex」を利用して、デング熱やマラリアなどの感染症の予防を目的とする防虫成分を閉じ込めた高機能性素材の開発を進める。マラヤ大学TIDRECとの共同研究は、これらの感染症が大きな社会問題となっているマレーシアにて実証実験を行うことで、現地の感染症対策に貢献することを目指す。

キックオフミーティングの様子

 FiberCrazeおよびTIDRECは、この共同研究が、感染症の予防および公衆衛生の向上に大きく貢献することを期待している。両機関は、今後も継続的な研究開発を通じて、社会に貢献する革新的な解決策を提供していく。
 FiberCrazeの長曽我部竣也代表取締役社長は次のようにコメントしている。
 「世界で最も人間を多く殺す動物」が”蚊"であることに衝撃を受け、現地でデング熱・マラリアなどの感染症の深刻さを目の当たりにしました。
防虫をはじめとする様々な機能性素材に使用される技術の一部は、マイクロプラスチック生成により海洋問題に繋がることが指摘されています。我々は「世界が誇る素材を創る」ミッション達成に向けて、弊社独自の技術で環境負荷の少ない高機能性素材を開発し、これらの課題解決を目指します。世界で有数の感染症研究機関であり、豊富な研究実績を持つTIDRECとの共同研究により、現地の課題を解決する効果的なソリューションの開発に注力してまいります。
 TIDRECの代表 PROF. DR. SAZALY BIN ABU BAKAR氏は次のようにコメントしている。
 "This partnership with FiberCraze, Japan, represents another significant milestone in the development of technologies against the pervasive threat of vector-borne diseases. Leveraging FiberCraze's innovative technology to develop materials that can have impact on diseases like dengue and malaria aligns perfectly with TIDREC's mission to advance research and education in tropical infectious diseases.
 We are excited about the potential of this collaboration to bring about meaningful and sustainable solutions to one of the most pressing health challenges in Malaysia and beyond."
■FiberCrazeについて
 FiberCrazeは、「世界が誇る素材を創る」をミッションに、岐阜大学の基礎研究から生まれた技術をコアとし、ヘルスケアから産業分野まで、幅広い産業分野への用途展開を進めている。今回のMoA契約締結は、感染症防止に貢献する新たな素材の開発という社会的使命を果たすための重要な一歩であり、地域を中心とした技術力の集結により、生活や産業の発展に貢献するインフラの確立を目指す。
■TIDRECについて
 TIDRECは、マラヤ大学に設立されたマレーシアを代表する感染症研究機関であり、熱帯地域で発生するデング熱、マラリア、ジカウイルスなどの感染症に関する研究を専門としている。TIDRECは、最先端の研究設備と国際的な研究ネットワークを駆使し、感染症の早期発見、診断、予防、および治療法の開発に取り組んでいる。この協力は、両機関の専門知識と技術を結集し、グローバルな健康課題に対する具体的な解決策を提供することを目的としている。

カテゴリー
コンバーティングニュース

PAGE TOP