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2025/10/8
【耐震型高性能PE管】積水化学工業、非開削で老朽水道管を更生するパイプインパイプ工法専用管「エスロハイパーJW PINP」発売
積水化学工業の環境・ライフラインカンパニーは、非開削で老朽水道管を更生するパイプインパイプ工法に適用する専用管「エスロハイパーJW PINP」を新開発、2025年10月8日より発売を開始した。

パイプの接合部が縮径しているため、EFソケットの外径と管外径がフラットに。 通常のEF接合で更生管が既設管内にスムーズに挿入でき、1サイズダウンでの更生が可能
背景
現在、全国の水道管の総延長は約74万km、多くは昭和30~40年代の高度経済成長期に整備されたもので、法定耐用年数40年を経過した管路の延長は約17.6万km(総延長の約23.6%)、さらに2040年には約49万km(約66%)と今後急増していくと言われている。水道管の老朽化により日本全国で年間2万件を超える漏水・破損事故が発生し、濁水や断水、健康被害、災害時の被害拡大など、さまざまなリスクをもたらしている。しかし、更新率は年間わずか約0.64%と低く、すべての水道管を更新するには130年以上かかる想定となっている。

開発の経緯
老朽水道管の更新がなかなか進まない要因としては、人口減少や節水により自治体の水道料金収入が減少傾向にあり、更新に必要な財源の確保が厳しさを増していることや、開削工事が難しい区間が多数存在すること、さらには工事業者の不足などが挙げられる。

そこで、積水化学工業では、老朽水道管の更新に対して、これらの課題を解決するため、ポリエチレン(PE)管によるパイプインパイプ工法をベースとした新規製品を開発した。耐震型高性能PE管は積水化学工業が1996年に日本で初めて発売以降、これまで数々の地震において「被害ゼロ」。非開削での老朽水道管路更生の専用管を新たに品揃えすることで、更新の促進に貢献する。

発進立坑内で既設管内に「エスロハイパーJW PINP」を挿入、到達立坑からウインチで挿入管を牽引することで、非開削での更生を実現
「エスロハイパーJW PINP」の品揃え ※呼び径(直管径×接合部管径)
<サイズ> 75×50、100×75、150×100、200×150の4サイズ
<長 さ> 5.0m、2.5mの2種類
「エスロハイパーJW PINP」の特長
(1) EF(電気融着)接合で施工ができるため、品質が安定
「エスロハイパーJW PINP」は通常の施工方法であるEF融着による接合で、特別な技術を必要としないため、地域の水道工事店での施工が可能。
(2) 接合部と管外径がフラットでスムーズに挿入できる
接合部を縮径してEFソケットの外径と管外径をフラットにすることにより、更生管が既設管内にスムーズに挿入できる。

(3)既設管から1サイズダウンで流量確保
直管部において既設管径から1サイズダウンで施工が可能。従来の接合方法(既設管径から2サイズダウン)と比べて、流量の損失を抑えられる。
(4)管を傷から守る外面保護層付き
直管部は外面保護層があるため、管の引き込み時の傷を防止できる。

なお、「エスロハイパーJW PINP」は、2025年10月29日~31日に開催される「2025広島水道展」(日本水道工業団体連合会主催)の積水化学工業ブースにて初展示される。
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