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2024/1/25

【脂環式エポキシDCPD-DE】日本材料技研、年1トン超の供給体制構築。電子材料分野での用途開発を加速

 日本材料技研は、脂環式エポキシDCPD-DE(ジシクロペンタジエンジエポキシド)に関し、パイロットスケールでの製造に成功した。同社では2020年6月からDCPD-DEのサンプル販売を行ってきたが、これまでに電子材料用途を中心に多くの引き合いがあり、供給態勢の構築にも取り組んできた。今般のスケールアップにより、年1トン超の需要にも受注生産で対応しうる供給体制を整え、キロ単位での量産試作サンプル販売を開始する。

DCPD-DE スケールアップ品 (左1kg、右5kg)




DCPD-DEの化学構造式

 DCPD-DEは、透明性や耐熱性を特徴とする脂環式構造を有する白色の粉末材料。脂環式エポキシの中でも誘電率が低く、比較的高いTgを特徴としており、エポキシ組成物に配合することで、Tgを損なうことなく、電気特性を向上することができる。これらの特性を活かして、電子材料の接着剤や封止材への活用が期待される。
 同社は、独占実施権を有する触媒と知的財産を保有するエポキシ化技術を応用して工業化製法の開発に取り組み、シンプルでスケールアップ容易な生産技術をパイロット規模で確立した。これにより高い反応選択率を実現し、高純度(99.5%以上)で塩素を含まない(検出下限以下)DCPD-DEを量産することが可能になっている。
 また、この技術はDCPDのみならず、脂環式構造を持つテトラヒドロインデン等、多様な材料のエポキシ化への適用が期待される。2023年10月には関連する知財も取得するなど取り組み態勢を整えており、今後、高機能エポキシ化合物への個別ニーズにも応える。

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