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2026/3/9

【自動車由来の複合廃棄プラ】REMARE × TOYOTA UPCYCLE、新たなマテリアル開発プロジェクトを開始

 REMAREは、トヨタ自動車新事業企画部が推進する TOYOTA UPCYCLEと協業し、自社工場内だけではなくサプライチェーン上で発生する複合廃棄プラスチックを対象とした、新たなマテリアル開発プロジェクトを開始した。

 このプロジェクトは、特定の製品用途に限定することなく、自動車業界のサプライチェーン全体で発生する複合廃棄物を対象に技術検証を含む実証実験を実施する。自動車産業から生まれた高性能素材を再構成し、建築・内装・什器・展示などを含む空間業界での実装可能性を検証する。

プロジェクトの背景

 自動車業界では、安全性や耐久性、軽量化といった高い品質要件を満たすため、複数素材を組み合わせた複合プラスチックが広く使用されている。

 その結果、製造工程では一定量の端材や工程廃材が構造的・継続的に発生するが、これらは再資源化が難しく、その一部は焼却・廃棄されてきたのが実情である。こうした素材は、量も品質も一定である一方、明確な出口が見つからず、サプライチェーンの中で「扱いづらい存在」となってきた。近年では、こうしたサプライヤー由来の廃棄物が、完成品メーカーにとってもScope3排出量として無視できない課題となっている。

 同プロジェクトは、この課題に対し、素材そのものの価値を再定義することで解決を試みる取り組み。


多様な出口:マテリアル化で終わらない、空間領域への接続。

 同プロジェクトでは、廃棄物を特定の製品用途に当てはめるのではなく、まずマテリアルとして成立させることに重きを置いている。

 素材特性、耐久性、加工性、意匠性といった観点から再設計を行い、空間を構成する要素として長期的に使われることを前提に検証が進められる。同社は、建築・内装・什器・展示など、空間業界は一定量の素材を継続的に受け止め、価値として可視化できる領域であり、産業由来の廃棄物の再資源後の出口の最大化に適していると考えている。

「産業内循環(クローズドリサイクル)」の実装へ

 同取り組みは、単なる素材の再利用を目的としたものではない。SSBJやCSRDといった開示要請の高まりを背景に、サプライチェーン全体での資源循環をどのように実装していくかが問われる中で、実務として成立するモデルの検証を行うもの。自動車サプライチェーンで発生した複合プラスチックを、同じ産業の中で再び価値として活用する「産業内循環(クローズドリサイクル)」の実装を目指している。

 製造工程で発生した素材が、マテリアルとして再構成され、家具として形を変え、再びオフィスや施設空間で使われる。この循環が成立することで、廃棄に依存しない、新たな資源の流れの創出につながる。

代表コメント

株式会社REMARE 代表取締役 間瀬雅介氏

 近年、REMAREには、リサイクル手法の確立が難しい廃棄プラスチックの再素材化に加え、ESG/サステナビリティ報告において活用可能なレベルまで整理された実装事例を求める声が増えています。

本プロジェクトでは、これまでREMAREが強みとしてきた複合プラスチック由来の大判板材成形技術を基盤に、自動車産業のサプライヤー、メーカー、デザイナーなど、複数のプレイヤーを巻き込みながら検証と実装を進めていく構想です。素材開発にとどまらず、出口提案から実装までを見据えた伴走型の取り組みを通じて産業として現実的に成立する循環モデルの構築を目指します。

自動車産業で生まれた素材が、再び産業の中で価値を持ち続ける循環の実装に向けて、本取り組みを一つの起点としていきたいと考えています。


■TOYOTA UPCYCLEについて

HP:https://global.toyota/newbiz/toyotaupcycle/

 『“モッタイナイ”が“もっといい”に変わり続ける未来を創る起点になる』をミッションに掲げ、トヨタ自動車のカーボンニュートラル推進活動の一環として新事業企画部にて2021年4月プロジェクト始動。まずは、自動車の製造工程で発生し、リユース・リサイクルが難しい廃棄物を素材に、モノづくりとパートナーシップの力で、新しい価値を持つ商品・サービスへ生まれ変わらせる取り組みを展開中。将来的には車だけではない、製造業全体のモッタイナイ廃棄物も融合しながら、世の中にとって必要な商品・サービスへと変換・循環させ、エシカル文化の更なる普及拡大へ寄与することを目指すプロジェクト。

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